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  • 執筆者の写真井上靜

「乗組員が最後まで頑張った」は自衛隊にも言う

更新日:2023年12月2日

 「堕ちプレイ」と揶揄させるオスプレイが、また墜落した。

 ところが、自衛隊でも墜落したと言っているのに、政府は不時着したと言った。海の上だから不時着水だと。思い出すのは『猿の惑星』の着水で、あれはクラッシュランディングつまり不時着と言っていた。

 しかし軟着陸と違って壊れはしたが乗組員など無事だったから不時着であり、今回のオスプレイは無事では無かった。



 米軍から墜落したと言われ政府は訂正した。

 もともと事故をよく起こすオスプレイだから、「またか」と言われると不味いと政府が考えたと容易に想像できる。

 ここで政府は、乗組員が最後まで頑張ったから不時着ということにしたと言っている。結果が問題なのに。これは米軍だけでなく航空自衛隊についても言っていた。オスプレイだから、あるいは米軍だから、不時着と強引に言ったけれど、乗組員が最後まで頑張ったと言うことで不祥事を誤魔化すことは、昔からやっている。


 2000年に航空自衛隊機の墜落で首都圏が停電した事件があった。

 あれは航空自衛隊入間基地から飛び立った練習機が故障で墜落し、教官と練習生の乗組員二人ともが事故死したさい、機体が送電線にぶつかって壊したのだった。

 もともと、故障しても当然の老朽化したT33「若鷹」を、ベテランたちには思い入れがあるから使っていた。新型機を買ってあるのに。マーヴェリックがF14「トムキャット」への思い入れというのは活劇映画の話だからあくまでもフィクションである。

 だが、ポンコツで練習して脱出装置が旧式だったことが原因で乗組員が死亡したうえ地上に災害それも首都圏に停電の被害となったのだから最悪である。


 そこで政府は、乗組員が「最後まで頑張った」という美談で不祥事を隠蔽した。

 この美談をマスコミに流し、もともと事故の前から飛行について地元の危惧があったのに航空自衛隊が無視したことも含めて、それを言うのは英雄的な死者への冒涜だと言い出した。

 これに対し、隠蔽のために犠牲者を利用するとは卑劣だと批判もあったが、同時に、そもそも美談自体が捏造だという指摘も出ていた。


 つまり、オスプレイだから、米軍だから、という以前に、自衛隊のことでも、そうだった。政府は「乗組員が最後まで頑張った」と言えば良いと思ってるのだ。

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