Twitterの謎とイーロンマスクの今後
- 井上靜

- 2022年11月6日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年11月6日
Twitterで、直接やり取りしたいので相互フォローにして欲しい。
というのはテレビ局が画像や動画を貸して欲しい場合によくあって、かつて自分も貸してあげた経験がある。
しかし不可解なのは、自分の話を聴いて欲しいのではなく、ただ数を増やしたくてフォローして欲しいと言ってくる人がいることだ。見栄なのか、よほど孤独なのか。
Twitterで疑問な最たるのは、なんでこんなのが「おすすめ」として表示されるのか。
特に世界情勢の話題とか、そんなのばっかりである。やはりTwitterが某国のプロパガンダツールだからという噂の通りか。
そうなると、適当に距離をおいて使用するだけで良い。動画も投稿できるなど便利な機能であるが、もともと無ければ無いでも困らないものである。
Twitterをイーロンマスクが買収した件。
このあと、どうするのか。メディアを手に入れれば世界を動かせると思ったら大間違いである。あの『市民ケーン』に描かれていた通りだ。オーソン-ウェルズふんする主人公ケーンは、親が偶然に手に入れた遺産で不振の新聞社を買うと、センセーショナリズムで盛り上げ、全米で最も影響力を持つマスメディアの一つとまで言われるようになるが、それで名士とかセレブとかになった気で大統領の姪である御嬢様と結婚したのが最初の失敗だった。この妻から商売に文句を言われてしまう。歯に衣着せぬ論調を売りにしていたけれど、政策をこき下ろしたことで身内なのに何故だと苦情を。
その後、自分が権力を志向して盟友に去られる。世の中を良くするのに貢献したいはずだったのに変節したから。しかも州知事選挙に出たけれどスキャンダルで落選し、政界入りに失敗する。
その後、離婚して、声楽家志望の女性と再婚し、金に任せて一流の先生を付けレッスンを受けさせるが、彼女は美人だけど才能が無かった。こんなにしてやって駄目とは何だとケーンは怒るが、自分だって金に任せてやってみたけれど駄目だったのだから、他人のことを言えなかった。

ケーンのモデルであるハーストとか、日本の正力松太郎とか、いちおう成功した人たちは、その成功とはどの程度だろうか。
あの読売新聞の渡辺恒雄も、先輩である正力松太郎に見習おうとしたことは態度から明らかだった。正力松太郎は宗主国アメリカと手を結び、「パンとサーカス」で原子力とテレビとプロ野球を興したが、結局は読売新聞なんて部数が多くても娯楽的メディアという域を出られなかった。
それなのに、プロ野球を宣伝に利用しながら新憲法の読売新聞案を掲載したものだから、大々的に宣伝しても話題にならず無様だった。これを後藤民夫から「スポーツ新聞紙上で憲法を説く勘違いのナベツネ」と皮肉られ、また篠原勝之からは、記者上がりのチーママが大部数の新聞を発行する会社で独裁的な権力をもったことで、自分の意のままに社会を操れると勘違いしたわけだから「同じ環境に居れば誰でもかかる病気みたいなもの」と指摘された。
はたしてTwitterを買収したイーロンマスクは、どうなることだろうか。
堀江貴文や西村博之よりは規模こそ大きいが、中身は変わらないのではないか。
あの68年におきた「三億円事件」を基にしたテレビドラマがいくつか作られ、犯人役が沢田研二や織田裕二の他にビートたけしのものもあった。そこで今に換算すると二桁の億になる大金を手に入れて、これで何をしようかという話になる。すると共犯者に対してビートたけしは「もちろん世界征服だ」と冗談めかして言う場面があったけれど、その後は金の力で若い美人と結婚したけど破綻など情けなかったというオチ。
いきなり大金を持つとデカイ事をしたくなり、それが影響力のあるマスメディアの取得という発想になりがちなのだろう。しかし現実には大した力にはならないものだ。



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