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80年代には想像も出来なかった今

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年12月26日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年12月27日


 前に、80年代は良い時代だったのかという問題を話題にした。

 80年代は今と違って非正規雇用の横行などがなかったけれど、家庭内暴力や校内暴力がひどく、それは終身雇用に年功序列が当たり前であったものの、その枠組みに納まる人間である必要があり、その証明の最たるものが学歴だったから、ほんらいは人生の一部でしかないことで落ちこぼれとなっても気にすることないはずなのに、それが社会の落伍者を意味していて、不運にもそうなった者は絶望から非行や自殺に走った。

 それで後世の人たちは、よく美化して語られるのを聞く一方で、その実態を知ると不可解というということだった。


 「ジャパン-アズ-ナンバーワン」と言われた。

 それが70年代の後半で、80年代にはピークとなった。しかし、地に足ついてないとか、長続きしないとか、そういう指摘はあった。ただ、当時の雰囲気は、まさか、中国に圧倒されているとか、韓国より賃金が低いとか、そんなことになっている今の日本を想像させなかったのだ。理屈で解ってもイメージとして無理だった。



 これは80年代を知らないと実感が極めて困難であろう。

 しかし、知っている人は思い出して欲しいが、あの当時の最大のスターであるだけでなく時代の象徴とまで言われた松田聖子が、まさか娘の位牌を持って神田正輝と一緒に会見して、遺骨を持った神田正輝が「沙也加を荼毘にふした」と報告している様子など、想像を絶したことだったはずだ。

 そういうことも不幸にして起こり得ると理屈では解っても、イメージとして、とてもではないが80年代にはとうてい考えられなかった。


 80年代とは、そんな時代だったのだ。

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