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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 4月5日
  • 読了時間: 2分

 吉田あやか議員は勝者である。

 三重県の地方議員だが、生理用品の公共常備という話題で一躍その名は全国区となったのだから。これに対して敗者は発端となったおばちゃんである。この人は共産党系の民商に勤務していたがクビになり、不当解雇だと騒いでいた。そこで「共産党憎けりゃ生理まで憎い」ということになり吉田議員に難癖をつけて、生理用品は自分でコンビニ入って買えとSNS投稿した。

 しかし吉田議員の方が話題になり、自らの体験から社会的に有効な問題提起をしたという評価も受けた。しかも杉田水脈の乱入で、そっちの方に関心が逸れてしまった。


 とくに吉田あやか議員には健康上の事情があった。

 それで内服薬を使用していた影響から数年ぶりに突然の生理だったと説明している。そのうえで、そうでなくても急なことがあるのだから、公共の場にある女性の便所には生理用品を常備するべきだと訴えた。また、貧困や親のネグレクトで手に入らない女子もいる。そこから国内外で常備する方向になってきたのだ。

 この前提を欠いて非難したのが杉田水脈であった。


 杉田水脈は弱い者いじめや差別が飯のタネだと言われている。

 それを自民党は議員に復帰させたがっているのだから、自民党の体質ということだ。杉田水脈は何も解らないまま、生理用品はポーチに入れて持ち歩くのが女子の嗜みだとか母親から躾けられなかったのかとか言って侮辱していた。吉田議員のように特殊な健康上の事情がある女性と、貧困や親のネグレクトを受けている女子を、杉田水脈は頭から小ばかにしたのだ。

 まるで『キャリー』という小説および二度の映画化で描かれている、生理のことでキャリーを虐めている同級生たちである。


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 キャリーの同級生のうち、それまでの虐めに対する無関心を反省する女子がいた。

 それで自分の彼氏に、キャリーをプロムに誘って一緒に参加して欲しいと頼む。この場面は原作で要になっている。事情ある人を揶揄ったり虐めたりするのは、もう卒業しないといけない。それを言われて彼氏も、自分だって地方の庶民の家庭に産まれて、それが社会人になったら社会の中でどの程度なのかと考えたら、とうてい人を見下して無邪気に笑ってなど居られないと言い、彼女の提案を受け入れる。

 ところが杉田水脈は虐めや差別を利用して出世してきた。それにしても、やっていることが餓鬼っぽい。おそらく確信犯というより本当に精神的な成長が無いのだろう。


 




 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 4月4日
  • 読了時間: 2分

 二十代後半の地方議員が女子便所に生理用品の常備すべきとSNS投稿した。

 この人は自分が急な生理で困った体験から語っていたが、自分個人だけのことでわざわざSNS投稿するわけがない。時々、匿名アカウントで個人的な話ばかりする人が「私、今日、女の子」なんて投稿していて、そんなの誰が読むかよと女性が言うものだが、それとは違い議員としての発言だし、内容からして社会的・公共的な問題としていることは明らかだった。

 それに難癖を付けた女性がいた。


 その女性は共産党と揉めて裁判沙汰だった。

 それで、この女性議員が共産党の所属だったのでケチをつけたのだろう。コンビニ店で買えばいいと。

 これで思い出したのは、プロ野球の野村監督が南海ホークスの選手だった時の話。試合で他球団の球場に行ったら、シャワー室に石鹼が常備されているので驚いたと言う。南海ホークスでは選手が自分で石鹼を買って持ち込まないといけなかった。同球団は何かにつけてケチで、新人選手の安い給与から寮費を天引きするくらいだったそうだ。そして野村監督がいなくなったあと低迷し、身売りでスポンサーが変わったらまた優勝できるようになった。ドケチは良くない。衰退の原因になる。 


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 『こどもしょくどう』という映画に描かれていた。

 鈴木梨央ふんする親に捨てられた女の子の様子から、常盤貴子ふんする食堂のお母さんが気づいて、便所に連れて行き自分の生理用品を渡す場面がある。

 このように親のネグレクトなど様々な事情から、公共の場に常備するということは国内外で進んでいる。これをその議員は自分をネタにして語っていた。なのに個人の失敗を恥も外聞もなく公言していると受け取る人の感覚は、はっきり言って下品である。


 そしたら出てきたのがあの杉田水脈である。

 自分のポーチに入れて持ち歩くのが女の子の嗜みだとか、お母さんに躾けられなかったのかとか、相変わらずで解説するまでもない。議員としての社会的な責務を解ってないから、よくいる「女性の悩みに冷酷な女性」ぶりを発揮できてしまうのだ。

 そもそも、不測の事態に備えて個人的に工夫することは話の問題が別である。自衛隊などで給水車の体制をもっと充実させるべきであるというのに対して、災害に備えて個々人各家庭で水を保存して置くのが当たり前だと言って否定したら、それでは政府など要らない。

 

 どうも、公的な責任を否定する人たちは、その発想の根が冷酷かつ下品で、そこから問題の本質から逸脱する、というのが常道のようである。

 

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 4月3日
  • 読了時間: 3分

 三重県の吉田あやか議員に嫌がらせのメールが三千くらい来たそうだ。

 その中には殺害予告もあったので警察に被害届を出して受理されたが、きちんと捜査するかとなると疑問である。もちろん被害届や告訴状を受付ないのが警察の常道である。埼玉県桶川市の女子大生の殺害事件のように、ストーカー被害を警察は黙殺していた。警察の誰かと犯人との癒着も疑われていた。

 なので、受理しただけ警察の対応はマシだった。野党とはいえ議員であったことも影響したはずであるが。


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 防衛医大の件で国を訴えていた時に殺害予告の電話とメールは幾つか来た。

 それで脅迫だからと警察に被害届を出そうとしたが、警察は拒絶したうえ、裁判を取り下げろと迫った。

 この時は、防衛医大の医師たちの間で「こんな手術をしたら裁判沙汰になって当然」と言われて、これをうけて防衛医大の卒業生で既に他の病院に転勤している医師が法廷で証言をすることになるのだけれど、その直前のことだった。

 この医師を、防衛医大=国の訴訟代理人をしている弁護士(元高裁判事で、よく政府筋の仕事を請け負っている人)は、怒らせていた。自分に有利な証言にさせたかったのだろうが、そのさい横柄な態度だったらしい。その医師は「防衛医大の訴訟代理人をしている弁護士の先生は大嫌い。本当に失礼な人です」と言っていた。これを私的なものであるが書面にも書いていた。


 その弁護士は、警察が自分らの側に付いていると嘯いていた。

 だから警察は我々の味方であると脅す意図のようだった。このうえで、問題の医師には「何の落ち度もないことが裁判の途中で明らかになった」という荒唐無稽な前提で、原告の元患者を逮捕するよう警察に告訴までしていたが、その告訴状には法律家として恥ずかしい法的に初歩的な間違いも書かれていて、これでは司法試験どころか学部の卒論でも不可になるお粗末で、全く話にならない内容だった。

 つまり、被告側の大学病院で医師たちが「これでは裁判沙汰も当たり前」と言っていて、卒業生で他の病院に転勤している医師が証言することになったら、その医師に国側の弁護士が働きかけたものの失礼をして怒らせてしまい、その証言になる前に、裁判の途中で医師に何の落ち度もないことが明らかになったと嘘をつき、原告を逮捕するよう警察に訴えた、ということになる。


 ここで殺害予告が来ている。

 そして警察は被害届を拒絶し、ひたすら裁判を取り下げるよう迫ったのだ。生理用品を公共の施設に常設するべきだと言っただけで殺害予告なのだから、国を相手に訴訟を起こしたら当たり前だろう。

 以上、人様の話に便乗して恐縮だが、誰にでも起こりうる話ということである。ついでに、この医療裁判について詳しいことはサイト上部からホームページに行き拙書の紹介から『防衛医大…』の部分を参照して欲しい。



 

 
 
 
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