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公共の場に備える生理用品

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 5 日前
  • 読了時間: 2分

 二十代後半の地方議員が女子便所に生理用品の常備すべきとSNS投稿した。

 この人は自分が急な生理で困った体験から語っていたが、自分個人だけのことでわざわざSNS投稿するわけがない。時々、匿名アカウントで個人的な話ばかりする人が「私、今日、女の子」なんて投稿していて、そんなの誰が読むかよと女性が言うものだが、それとは違い議員としての発言だし、内容からして社会的・公共的な問題としていることは明らかだった。

 それに難癖を付けた女性がいた。


 その女性は共産党と揉めて裁判沙汰だった。

 それで、この女性議員が共産党の所属だったのでケチをつけたのだろう。コンビニ店で買えばいいと。

 これで思い出したのは、プロ野球の野村監督が南海ホークスの選手だった時の話。試合で他球団の球場に行ったら、シャワー室に石鹼が常備されているので驚いたと言う。南海ホークスでは選手が自分で石鹼を買って持ち込まないといけなかった。同球団は何かにつけてケチで、新人選手の安い給与から寮費を天引きするくらいだったそうだ。そして野村監督がいなくなったあと低迷し、身売りでスポンサーが変わったらまた優勝できるようになった。ドケチは良くない。衰退の原因になる。 



 『こどもしょくどう』という映画に描かれていた。

 鈴木梨央ふんする親に捨てられた女の子の様子から、常盤貴子ふんする食堂のお母さんが気づいて、便所に連れて行き自分の生理用品を渡す場面がある。

 このように親のネグレクトなど様々な事情から、公共の場に常備するということは国内外で進んでいる。これをその議員は自分をネタにして語っていた。なのに個人の失敗を恥も外聞もなく公言していると受け取る人の感覚は、はっきり言って下品である。


 そしたら出てきたのがあの杉田水脈である。

 自分のポーチに入れて持ち歩くのが女の子の嗜みだとか、お母さんに躾けられなかったのかとか、相変わらずで解説するまでもない。議員としての社会的な責務を解ってないから、よくいる「女性の悩みに冷酷な女性」ぶりを発揮できてしまうのだ。

 そもそも、不測の事態に備えて個人的に工夫することは話の問題が別である。自衛隊などで給水車の体制をもっと充実させるべきであるというのに対して、災害に備えて個々人各家庭で水を保存して置くのが当たり前だと言って否定したら、それでは政府など要らない。

 

 どうも、公的な責任を否定する人たちは、その発想の根が冷酷かつ下品で、そこから問題の本質から逸脱する、というのが常道のようである。

 

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