- 井上靜

- 5月11日
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共産党の機関紙『赤旗』が赤字で寄付金を募っている。
これは一時しのぎであり、根本的な解決ではない。機関紙収入は政党に限らず政治団体にとって主要な活動資金の原である。これが経営危機では団体としての存続に関わる。これからどうするのか。
それは、もっと前から考えておくべきことだった。
二十年くらい前から共産党の中で言われてきたことだ。
党員数と機関紙の発行数が減っていて、このままでは党勢が衰退して選挙で結果を出すこともできないということを。
これは、どの政党についても言えることで、党員数は減少している。そうなると、これに連れて党費も機関紙収入も減少する。

もう一つは紙媒体の衰退である。
だから、との商業紙も発行数が減っている。そこで商業紙の場合は広告収入が約半分だから、広告料金を高くするため発行数の水増しをして、印刷したら押し付ける「押し紙」と呼ばれることをしてきた。これが商業紙と違い広告に依存しない赤旗にはできない。
もちろん、このままではいずれ商業紙も破綻するだろう。
つまり赤旗の危機だけではない。
どこも同じ。政党と新聞紙が危機なのだ。かつて、文字による表現は、小説の時代から報道の時代へと移ったけれど、次はコラムの時代だと言われていた。これはインターネットが実用化される前のことであった。そしてblogやTwitterの登場で本格化している。しかし小説も報道の記事も無くなってはおらず、こちらはどうしても紙媒体でないと困ることがある。
そういう情勢のなかでどうするのかを、共産党は真面目に考えて来なかった。それで今さら慌てているということだ。


