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​炬火 Die Fackel 

 歌手の水木一郎さんが死去したと報じられた。

 アニメソングなどのテレビ主題歌で知られ、少し前からガンで闘病していると言って、車椅子で登壇すると座ったまま唄うこともあり、生涯現役を貫いたのだった。


 初めてサインしてもらったプロ歌手である。

 小学生のとき、遊園地でサインしてもらったのだった。かつてユネスコ村という遊園地と文化教育施設が一緒になったような場所があって、そこの野外ステージでのことだった。

 この帰りに、電車の中で水木一郎さんと同じ車両に乗り合わせた。当時は無かった西武ライオンズ球場の近くだから、都心から西武線に乗り換えるのが最も効率よい。



 後に知ったが、鎌倉八幡宮の近くに自宅があるとのこと。

 これは『マジンガーZ』の大人気により唄った主題歌のレコードが70万枚も売れたから、その利益を使って購入した宅地に家を建てたそうで、このため「水木一郎のマジンガー御殿」と呼ばれたが、もとは、人気の出そうな場所で宅地を見つけたので、自分の家を建ててもよし、資産としてもよし、ということであった。

 そして結局は自宅を建てることにして、その資金は仮面ライダー関係など様々なイベントにコツコツと出演して稼いだという。

 それでユネスコ村の時も西武線に乗って巡業に来たわけだ。


 つまり、あの当時は地味なスターという感じの仕事ぶりであった。

 でも、そうやって堅実にやってきたのが良かったわけだ。よくヒット曲を出した歌手が次の曲もヒットする保証はないのに賭博などで散財して困る話を聴く。アニソンでいうと『エイトマン』の主題歌を唄った人のように、それで愛人に貢いでもらい、奥さんにバレそうになって…という最悪の歌手がいた。

 ということで、地道にして成功した水木一郎さん、ということを子供のころに直接目撃した体験から思うのであった。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年12月14日
  • 読了時間: 1分

 「♪ドは毒殺のド、レは冷酷のレ、ミは皆殺しのミ」

 という替え歌を学校で教師が児童に教えたので苦情が出たという記事があった。

 もともと「ドレミの歌」は『サウンドオブミュージック』でジュリーアンドリュースが「♪ミは私のミー」と唄うのを日本では「♪ミは皆のミ」になっていたりするから、そこで替え歌にすることが昔からよくあった。




 「♪ドは髑髏のド、レは霊柩車のレ、ミは木乃伊のミ~」等々。

 それで、かつて自分でも替え歌をしたものだった。


 ♪ドはドグマティズムのド~

 ♪レはレイシズムのレ~

 ♪ミはミリタリズムのミ~

 ♪ファはファシズムのファ~

 ♪ソはソシアリズムのソ~

 ♪ラはラジカリズムのラ~

 ♪シはシオニズムのシ~


そして締めくくり。


 ♪イズム、イムズ、イムズ

 ♪オール・ウィー・ア~・セーイング、

 ♪ギブ・ピース・ア・チャンス~





 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年5月27日
  • 読了時間: 3分

 ショスタコーヴィチの交響曲第7番『レニングラード』は、ドイツ軍に包囲された街に当時いたショスタコーヴィチが、その中で書いていたらしい。

 その戦争を表現する第一楽章の反復音型は、この演奏をラジオで聴いたバルトークが彼の最も有名な曲『管弦楽のための協奏曲』で茶化した引用をしていたことも知られている。

 また、この部分は『メリーウィドー』に似ているので意識したという「定説」があるけれど、似ているとは思えない。むしろチャイコフスキーの交響曲第5番の方に似ていると感じる。

 それに、『レニングラード交響曲』は戦勝を讃えているが『メリーウィドー』の歌詞からすると国の呪縛から逃れたいという隠れたメッセージだ、と言う人がいる。しかし、国がなければ戦争もないという『イマジン』のような考えをショスタコーヴィチがしていただろうか疑問だ。



 とにかく、これによって後にショスタコーヴィチは対独戦の映画で音楽を担当するが、仕方なくやっていたらしいと言われる。

 このソビエト映画はスターリンとヒットラーが戦闘の指令を出すのを詰将棋のように描いていて、攻防戦を面白くしているけれど実際の戦争をこんなふうに描いていいのかと言う人もいた。

 よく戦争をテーマに書く小説家の井上光晴は、かつて日本共産党員だった時、映画館で一緒に観た党員たちが、ナチスをやっつけるのを「いいぞ、いいぞ」という感じで喜んでいたけれど、自分は乗れなかったことを書いていた。


 ショスタコーヴィチの交響曲第5番は『戦艦ポチョムキン』で流れた。

 最初の場面、嵐で荒れた海の映像に被さる交響曲の冒頭が、まるで映画のために作曲されたオリジナルサウンドトラックのように合っていると言われた。

 それからずっと後、『宇宙からのメッセージ』という『南総里見八犬伝』を基にした日本のSF映画が、『2001年宇宙の旅』みたいにクラシック音楽を流そうということで、ショスタコーヴィチの交響曲第5番の第4楽章をアレンジした曲を8人の勇者たちのテーマ曲として流していた。このことはプログラムに明記してあったが、読んでない人の中にはパクリだと思った人がいて、その一人が武満徹だったらしい。映画を観て音楽が似すぎていると言ったとか。

 

 『宇宙からのメッセージ』は石ノ森章太郎がデザインに関与し、深作欣二が監督した。

 深作欣二監督は、その前に『ガンマ3号宇宙大作戦』というSF映画を撮っている。『ムーミン』のニョロニョロのような性質で姿は不気味な生物が宇宙ステーションの内部で増殖して暴れる話だ。『宇宙からのメッセージ』の次は『復活の日』で、深作欣二監督のSF三部作と言われる。どれも外国人の俳優が出演する輸出を意識したSF映画である。

 しかし深作欣二監督といえば時代劇とヤクザ映画である。


 ショスタコーヴィチの交響曲第4番と『仁義なき戦い』の音楽が似ている。

 これは作曲しているさい意識していたとしか思えない。これについてショスタコーヴィチが好きな人に訊いてみた。その人は『仁義なき戦い』を観てなかったので、津島利章が作曲した『仁義なき戦い』の音楽を聴いてみたところ、たしかによく似た感じがすると言っていた。

 『仁義なき戦い』は深作欣二監督の代表作であり、その音楽がショスタコーヴィチの交響曲第4番と酷似していて、そのあと撮ったSF映画の音楽はショスタコーヴィチの交響曲第5番ということである。

 
 
 
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