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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2023年7月1日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年8月5日

 ウクライナの「反転攻勢」は失敗した。

 しかし武器を売って大儲けの人たちにとっては、結果は関係ないだろう。


 ダムの決壊で大勢の被災者が発生した。

 これは状況からすると、いかにもウクライナ軍がやりそうであるが、どうしてもロシア軍がやったことにしたい人は、根拠などなくても構わないようだ。


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 それにしても専門家が滑稽なことを言うとは何なのか。

 「ウクライナ側の反転攻勢に向けた動きを見て、現場の指揮官がちょっとしたパニック状態に陥って、爆破のスイッチを入れてしまった」

 この、テレビで放送された何の根拠も無い憶測というより作り話は、日本の防衛省のシンクタンク的組織「防衛研究所」の防衛政策研究室長の分析だという。

 そのへんの高校生でももう少しマシな分析をするはずで、可笑しいというだけでなく税金返せと言いたいほど。それで笑いながら怒っている人たちがいる。


 それは怪獣映画で自衛隊が時々やらかしていることだ。

 怪獣が迫って来て、焦って思わず。例えば『フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン』(1965年・東宝他日米合作。監督本多猪四郎・特技円谷英二・音楽伊福部昭は『ゴジラ』と同じ)で、慌てて発砲した隊員たちに後から指揮官が「誰が撃てと言った」と怒る。

 しかし、現実の戦争と怪獣映画を一緒にする人が防衛研究所・防衛政策研究室長をしているとは、日本はどうなっているのだろう。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2023年6月27日
  • 読了時間: 2分

 「皆殺しの雄叫びをあげ戦争の犬を放て」

 このシェークスピアから取って付けた題が、フレデリックフォーサイスの『戦争の犬たち』であった。クーデターを支援する傭兵の話。

 フォーサイスは『ジャッカルの日』がベストセラーになった印税で傭兵のスポンサーになったと噂されたが、実際には『戦争の犬たち』の取材に行っただけだったらしい。


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 その「戦争の犬」ワグネルが叛乱を起こしたと騒ぎになった。

 そしてロシア軍が飼い犬に手を噛まれたということで、いままで狂犬のように報じたワグネルを、腐敗政治に決起した226将校みたいな英雄視へ急変するマスコミの滑稽さがある。ところがワグネルのボスであるプリゴジンは、叛乱で首都モスクワを目指すと息巻いて、次の日にはあっさりと諦めて外国に亡命らしい。(行方不明とも)


 これはおそらく、用が済んだら捨てられるだけでなく「知りすぎた男」として粛清されるのを恐れたのではないか。

 それこそワーグナーの歌劇『リエンチ』みたいになりたくないということで。傭兵の親玉は正規の軍人じゃないから、ご用済みとなればお払い箱で、よく傭兵部隊の仕事になる小規模なクーデター支援ならともかく、世界中で騒ぎになった軍事行動に関与したのだから、余計なことを喋らないよう監視されるだろう。

 そこで、大騒ぎのうえで逃げれば、少なくとも殺すわけにはいかない。


 スターリンじゃないから殺しはしないけど、恐れるのは解る。

 だから行っていいよ、とプーチンも同意。ということだったのではないか。

 また、危険があるので外出を控えさせ、緊急事態だからと強化した首都の警備は少し緩めながらも維持され、反戦デモ他の政府に逆らう行為が難しくなる。ということで、お互い様。

 そんな気がする騒動と顛末であった。

 
 
 

更新日:2023年5月23日

 福島県に田母神という地名がある。

 住民が一族ばかりなのでその姓が地名になるのと、反対に地名が姓になることがあり、田母神がどちらなのかは不明だが、どちらにしても田舎の場合である。

 だから福島県出身の人も田母神という地名は知らない人がいた。読んだ人で憶えている人もいるはずだが、前に雑誌のインタビュー記事を書いた講談師の神田香織氏は、今は住んでいないけれど家系は福島県の出で、しかし田母神という地名があることは知らなかった。こちらは、たまたま他の用で福島県の各地に行ったさいに知った。この話に神田香織氏は、よほどの田舎ではないかと言った。たしかにそうだった。


 田母神俊雄もと空幕長は福島県の出身といわれる。

 この人は高校まで学校の成績が良く、そんな人なら当地の人はだいたい東北大学に進学するけれど、彼の家はかなり貧乏だったそうで、福島県で貧乏というと他の地方と違い半端ではないから、大学ではなく衣食住の保証つき公務員養成所の大学校を選んだということらしい。

 その当時、防衛大は人気が無かったので、そこに成績優秀だった田母神君が入ると、周囲はバカに見えるくらい差があったそうで、それで彼は何かとんでもない勘違いをしたのではないかと言われていた。そういう話は神田香織氏も聞いているとのこと。


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 前に防衛大卒の御粗末を取り上げた。

 東大法学部卒の官僚である柳沢協二もと官房長が自衛隊の「駆け付け警護」について法的な整合性に苦労した成果を語っていたが、そういうことを無視して、田母神俊雄もと空幕長は、国の指示を仰がないといけない現状では駄目で指揮官の判断で行動できるよう憲法改正が必要だと説く。

 とんでもないことだ。イラクで無用な戦闘に巻き込まれてやろうと考えていたと平然と公言した「にやけ顔の出世亡者」「ヒゲ隊長」の佐藤もと隊長いま自民党議員なんかが自衛隊の現場指揮やっていたのだから、駄目に決まっている。それに部下の命なんて屁とも思っていないのが防衛大卒の傾向である。


 また、田母神俊雄もと空幕長は米国への不信から日本の核武装を説く。

 いつもの持論である。また、バイデン大統領が心にもないことを言っていることを挙げて、これも根拠にしている。

 だとしても、核兵器は所持するだけでなく政治力が伴わないと有害無益なものだから、北朝鮮がやっているくらいの政治力が要る。かの国は厳しい。米国との緊張があるから当たり前だ。佐藤議員のような存在は許されないし、田母神もと空幕長が選挙に出たさいのような御粗末やらかすと極刑だろう。


 つまり日本は無理だ。

 ぬるい日本で威勢が良いふりをSNSだけでやるのが精々の自衛隊上層部、それが政界入りを志向して誰もみな品質が悪い。

 核武装と自力防衛など夢のまた夢。

 
 
 
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