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戦争の犬たちワグネル叛乱あっさり収束

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2023年6月27日
  • 読了時間: 2分

 「皆殺しの雄叫びをあげ戦争の犬を放て」

 このシェークスピアから取って付けた題が、フレデリックフォーサイスの『戦争の犬たち』であった。クーデターを支援する傭兵の話。

 フォーサイスは『ジャッカルの日』がベストセラーになった印税で傭兵のスポンサーになったと噂されたが、実際には『戦争の犬たち』の取材に行っただけだったらしい。


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 その「戦争の犬」ワグネルが叛乱を起こしたと騒ぎになった。

 そしてロシア軍が飼い犬に手を噛まれたということで、いままで狂犬のように報じたワグネルを、腐敗政治に決起した226将校みたいな英雄視へ急変するマスコミの滑稽さがある。ところがワグネルのボスであるプリゴジンは、叛乱で首都モスクワを目指すと息巻いて、次の日にはあっさりと諦めて外国に亡命らしい。(行方不明とも)


 これはおそらく、用が済んだら捨てられるだけでなく「知りすぎた男」として粛清されるのを恐れたのではないか。

 それこそワーグナーの歌劇『リエンチ』みたいになりたくないということで。傭兵の親玉は正規の軍人じゃないから、ご用済みとなればお払い箱で、よく傭兵部隊の仕事になる小規模なクーデター支援ならともかく、世界中で騒ぎになった軍事行動に関与したのだから、余計なことを喋らないよう監視されるだろう。

 そこで、大騒ぎのうえで逃げれば、少なくとも殺すわけにはいかない。


 スターリンじゃないから殺しはしないけど、恐れるのは解る。

 だから行っていいよ、とプーチンも同意。ということだったのではないか。

 また、危険があるので外出を控えさせ、緊急事態だからと強化した首都の警備は少し緩めながらも維持され、反戦デモ他の政府に逆らう行為が難しくなる。ということで、お互い様。

 そんな気がする騒動と顛末であった。

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