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​炬火 Die Fackel 

更新日:2024年1月7日

 新年早々、地震と津波および原発の心配であった。

 そこで、またぞろ「自衛隊を批判する者は災害の時に拒否するべきなのに、出ることやる事が遅いとか文句を言うに決まっている」と荒唐無稽な話を始める人が湧く。

 これは昔からのことで、自分が自衛官の子供だと言う人たちにもいて、直接に聞いたことが何度かある。おそらく、お父さんが言っているのだろう。もちろん、こういうことを子供に言う自衛官はいるし、それが間違っていることは、少なくない自衛官が指摘している。


 言うまでもなく、自衛隊の災害派遣は副業である。

 だから、災害対策には自衛隊とは別の専門組織を作るべきだと主張する人たちが、自衛隊の中にもいる。自衛隊が兼務するから、出動や作業が遅くなる、ということだ。

 それを「災害対策は自衛隊しかやらないことに決まっている」という変な思い込みで語る人たちがいるわけだ。あるいは悪意で、軍事的な面への批判を災害対策とすりかえて「自衛隊を否定しているのに災害の時は自衛隊に助けてと言うのだ」と無茶苦茶な話を始める。


 だから誤りだ。

 と自衛官でも言うが、解ってない自衛官もいて、これについて知り合いの元自衛官(上役との喧嘩で辞めたそうだ)は「自衛隊は体育会系と同じだから、解らない人が大勢いて当たり前だ」と言っていた。

 そんな解らない人およびそんな父親に言い包められた子供も、同じことを言うのだろう。


 これはマイナンバーカードを強要するため保険証を廃止するのと酷似している。

 それまでの健康保険証でも十分だし、むしろ優れているのに、マイナンバーカードを無理強いするため廃止する。

 そして、あくまでマイナンバーカードの不便さと弊害が指摘されているのに、そんなことを言うなら病気や怪我をしても健康保険証を使えないようにしてやる、ということ。要するに従わない国民は殺してやると政府が言っているのだ。



 もともと自衛隊も同じだった。

 政府に従わない国民を殺すための警察予備隊だった。それに国防や災害の対策をさせて、やはり批判に対してはスリ換えで応じるという手口だった。

 そんなことせずに、弾圧になる業務を自衛隊から排除すべきなのだが、それはしたくないという人が政府にも自衛隊にもいるから、改めるべきだと言う内部の人が迫害されてしまう。

 

 つまり国の何処からでも同じ詐欺どころか下手な噓が発信されているのだ。

 

更新日:2023年12月2日

 「堕ちプレイ」と揶揄させるオスプレイが、また墜落した。

 ところが、自衛隊でも墜落したと言っているのに、政府は不時着したと言った。海の上だから不時着水だと。思い出すのは『猿の惑星』の着水で、あれはクラッシュランディングつまり不時着と言っていた。

 しかし軟着陸と違って壊れはしたが乗組員など無事だったから不時着であり、今回のオスプレイは無事では無かった。



 米軍から墜落したと言われ政府は訂正した。

 もともと事故をよく起こすオスプレイだから、「またか」と言われると不味いと政府が考えたと容易に想像できる。

 ここで政府は、乗組員が最後まで頑張ったから不時着ということにしたと言っている。結果が問題なのに。これは米軍だけでなく航空自衛隊についても言っていた。オスプレイだから、あるいは米軍だから、不時着と強引に言ったけれど、乗組員が最後まで頑張ったと言うことで不祥事を誤魔化すことは、昔からやっている。


 2000年に航空自衛隊機の墜落で首都圏が停電した事件があった。

 あれは航空自衛隊入間基地から飛び立った練習機が故障で墜落し、教官と練習生の乗組員二人ともが事故死したさい、機体が送電線にぶつかって壊したのだった。

 もともと、故障しても当然の老朽化したT33「若鷹」を、ベテランたちには思い入れがあるから使っていた。新型機を買ってあるのに。マーヴェリックがF14「トムキャット」への思い入れというのは活劇映画の話だからあくまでもフィクションである。

 だが、ポンコツで練習して脱出装置が旧式だったことが原因で乗組員が死亡したうえ地上に災害それも首都圏に停電の被害となったのだから最悪である。


 そこで政府は、乗組員が「最後まで頑張った」という美談で不祥事を隠蔽した。

 この美談をマスコミに流し、もともと事故の前から飛行について地元の危惧があったのに航空自衛隊が無視したことも含めて、それを言うのは英雄的な死者への冒涜だと言い出した。

 これに対し、隠蔽のために犠牲者を利用するとは卑劣だと批判もあったが、同時に、そもそも美談自体が捏造だという指摘も出ていた。


 つまり、オスプレイだから、米軍だから、という以前に、自衛隊のことでも、そうだった。政府は「乗組員が最後まで頑張った」と言えば良いと思ってるのだ。

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2023年11月4日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年11月4日

 木村防衛相が「誤解を生じたなら撤回する」と言った。

 これは誤解なんかではなく、自衛隊の政治利用を防衛相が公言したのは事実で、自衛隊も行政機関として政治的に中立であるべきだから、それを否定するなんてとんでないことだと批判されたのである。

 つまり自分の違法な発言を悪いと思っていない木村防衛相は、違法であると指摘されて、その指摘は誤解によるものだというでたらめ発言をしたのだ。


 しかし自衛隊の建前と本音は別であることも事実だ。

 だから、それを念頭に置いていたので、防衛相は自衛隊の政治利用を当たり前だと思って露骨に発言したのだろう。自衛隊は政治的な弾圧の機関として作られ、それが是正されたことは無い。

 これについては自衛隊の機関紙『朝雲』などが、堂々と自衛隊は中立であってはならず、対米従属の政権を守るのが仕事だと宣言していた。政権交代があって、それが対米従属でなくて別の政策をとったとしても、中立の行政機関として政府に従うものだという当たり前の指摘に対し、そんなことでは駄目で、自衛隊は武力を行使して政権を潰し、逆らう日本国民も武力で徹底弾圧するものだと、つまり軍事クーデターで皆殺しだいう意味を何十年も昔から公然と言っていた。



 つまりチリのピノチェト将軍と自衛隊は同じということだ。

 なので、いまさらという感じである。木村防衛相の発言は酷すぎるのでテレビに出ている人でさえ批判するコメントをし、そのさい、特に自衛隊は実力行使する機関でもあるから、中立でなくなり政治利用されると如何に危ないかと指摘していたけれど、そのとおりではあるが元々から自衛隊はそうでない危ない機関なのであるから、木村防衛相を批判するだけでなく自衛隊そのものを批判しなければならないのだ。


 また、昔から自衛隊の中からも批判はあった。

 このため自衛隊を追われた自衛官が何人もいたし、そんな組織の体質が嫌で自衛隊を辞めてしまった自衛官も大勢いる。

 そうした内部の良心的な声も圧殺しつづけた結果、自浄能力が無くなった自衛隊は政治的中立どころか規律も保てないという情けない状態が何十年も前から続いているのだ。それで飲酒とかセクハラとかの深刻な問題まで起きているわけである。


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