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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2024年8月26日
  • 読了時間: 3分

 今、スーパーの米売り場の棚は空っぽ。





 全国的に米が不足しているからだ。もともと日本は米が豊作になり余ると「古米」「古古米」が不良在庫となり、それで農家に減反を強制していた。そして不作になると足りなくなって混乱する、という連続だった。

 また、アメリカから余った小麦を押し付けられたので、学校給食をパンばかりにして、ゴハンよりパンの方が栄養的に優れていると広報していたが、だぶついた米の処分のため「米飯給食」が実施されるという場当たり的な対応が昔からのことだった。


 米を政府が買い上げて、余ったら低所得者に現物支給したり、外国に無償援助したり、そうやって、国内では社会政策として、国際的には恩を売るため、という政策を、なぜか日本はやらない。余ったら減反という漠然とした政策によって、農家の意欲と収入を殺ぎ、農業生産力の維持には無関心。

 これが日本の「優秀」な官僚たちのしてきたことであった。


 ロシアでは小麦が大豊作である。

 かつては不作になるたびアメリカから輸入していた。だから冷戦時代で対立していてもソビエトはアメリカにとってお得意様じゃないかと皮肉が言われていた。もとはフルシチョフ首相の失政だった。彼が失脚した主な原因の農政大失敗が、その後も影響していた。

 それでプーチン政権は農政に力を入れていた。豊作になれば輸入が無用であるだけでなく余剰は外国に援助して外交の取引に使える。


 プーチン大統領は官僚だった時に政治論文を発表していた。

 それは、自国の地下資源をもっと有効に利用するべきというもので、農産物をアメリカから輸入するための外貨を得るため輸出するのでは、自国の経済のためならないうえ対立している外国を富ませることになる。それで、この原因である農産物の輸入をしなくてよくするためには農政に力を入れるべきだ、という結論だった。

 そして、かつては小麦を積んだ輸送船がアメリカの勢力圏を出たのを確認してからソビエト軍はアフガン侵攻したけれど、そんなこと無用になったし、地下資源の利益と余剰の農産物は自国と友好国のために使える。これで北朝鮮も潤っているらしい。


 プーチン大統領が官僚だった時に勤めていたのはKGBだった。

 だから諜報部員として外国語や軍事に詳しく、来日したら柔道着に黒帯しめて披露していたように五段の腕前である。

 また、国家戦略として関係する政治と経済でも論文を書いていた。そして政治家になったら実施したのだ。これがウクライナの件でも、欧米の制裁が効いてないなど色々と功を奏している。

 これに比べて、日本の政治家も官僚も戦略がない。だから防衛費を倍増させてアメリカが在庫処分するために売る武器を言い値で買い、給与は上がらないのに増税、そのうえ国内の食料が足りなくなる、という無様さである。

 でも、自民党の政治家たちは自分だけ裏金づくりしていれば満足ということである。これに司直も大甘どころか不正の水準の対応である。


 しかし怒らない日本人。

 オリンピックでまた話題のマリーアントワネットが「パンが無ければケーキを食べればいい」と言ったとか言わないとの話があるけど、アニメの『ドラえもん』で、のび太に自分のことを自分で出来るように教えようと思ったママが「ママ居ない時にお腹が減っらどうするの」と訊き「その時は自分で炊くのよ、やり方を憶えなさい」と言うつもりだったのに、のび太の答えは「じゃあパンを食べるよ」なので、ママと一緒にドラえもんも困惑する、という話があった。

 今、スーパーに米が無いからパンが売り切れている。それは仕方ないとしても、ここで農政に怒らないのでは、日本人はのび太と同じである。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2024年8月11日
  • 読了時間: 2分

 突然の株安で大騒ぎしている人たちがいる。

 この原因が何であるのか不可解ということだが、ここで思い出すのはギャングのアルカポネの名言である。密造酒には手を出しても株には手を出さないとし「あれは仕組まれたトリックだから」と喝破していた。

 それに、株の価値なんて霞か幻影のようなものである。



 株が下がったと大騒ぎする人は何か困るのだろうか。

 これが先物取引なら追証を支払わされるので焦るが、株は価格が下がったら売らないでおくもの。下がったなら買うもの。どうしても売らないといけないとか、ちょうど売った時に急激に下がってしまったら、そこで大損したと落胆すべきだ。

 ところがNISAの話に乗せられてしまった人たちが、よく解らずに騒いでいる。


 前に億単位の大損をしたと言っている人がいた。

 この人は自分の事業の他に投資を始めたのだが、自信たっぷりに大儲けすると言っていたものの、周囲の人たちが新聞で株価を見ながら絶対に違うと言っていた。そして億単位の大損だと嘆いたという訳だ。

 それにしては、あまり困った様子ではなかった。つまり、それくらいの額だと誇っていただけ。ただ儲け損なったということで、資産が億単位で目減りしたのではなかった。もしそうなら、それで平気でいられる人など、どんな金持ちでもなかなかいない。


 あと日本の無能な政府の実態を知らない人がいる。

 そんな人たちが、とんでもない投資話で幻想を持たされて、当然ながら期待を大いに裏切られたと愚痴っているということだ。

 

 
 
 

 銀行で行員と投資の話をしたことは先日の話題で取り上げた。

 そこで話したことを、もう一つ。この銀行が提携するネット証券会社のサイトでは、国別の株や債権の所で関係する世界情勢が出るから自分が判断するようになっている。もちろん、この情報は一般的な報道に基づいているので、正確と言えない話も多数含まれている。しかし自分が判断することである。



 銀行や証券会社のアドバイザーはあてにならない。

 これも前に話題として取り上げたとおりである。さらに、例えばロシアはウクライナ問題で不安だからと取引停止中だが、しかし先行きは上がりそうだという見方も出ている。

 ここで銀行の投資アドバイザーが「これはプーチンの勝ちだ」とは絶対に言えまい。このとき話した担当者の女性も全く同意だった。

 つまるところ、投資アドバイザーは本音を語ることができないのだから、そんな人に相談しても無駄どころか有害である。


 銀行だから堅実とは言っても客を差別している。

 これも前に話題として取り上げたことだ。大口の預金を持つ上得意中の上得意の客に対しては、それを投資に使って欲しいから気を使って慎重に儲かる銘柄を奨めるけれど、そうでなく投資のため口座を作る客に対しては悪意の対応をするのが普通と言っていい。

 そして、有力な政治家の御曹司だと気を使うから、それで自民党の親の七光り議員たちは、投資とは何も考えなくても楽をして儲かるものだと勘違いする。だから、政策ではなく、投資でもすればいいじゃないかと言い出すのだ。


 これでは自分の才覚で生き残るしかない。

 その意欲があるなどする人は、ごく一部なのだから、多くの人が政府の犠牲者になる。今の政府は、自分は不真面目なのに育ちのため自分の不真面目さに気づいてもいない人が中枢にいるので、犠牲者は大量に出て当たり前である。

 その中には自業自得の人も結構いるはずだが、そうでない人もいるので気の毒である。

 
 
 
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