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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年4月30日
  • 読了時間: 3分

 東京大学では儀式のさい菱形の被り物をする。

 これを、他の大学を卒業した人が、如何にも大学という感じで自分も被ってみたかったと言っていた。外国の大学ではよく見かけるが、そんなに日本ではやっていない。だから女子の袴のような一種のコスプレだと思っていたと言う人もいるほどだ。しかし東京大学では普通のことである。


 これを入学式で講演する人も被る。

 今年は映画監督の河瀬直美がゲストのような形で担当して被っていた。そこで話題になったのは、戦争のことで「ロシアを悪者にするのは簡単」だと発言したことだった。戦争をするなんていけないと言うだけならバカでもできるという趣旨であったから、非難する人たちもいたけれど、むしろ意外なのは、自分の出世のためなら権勢に媚びる彼女が、その甲斐あって東大で講演できたのに、そこで対米従属する日本政府の下で、それに沿わない話をしたことだ。



 もちろん、河瀬直美がどこまで深く考えていたかは疑問である。

 同じ戦争でも、ベトナムやユーゴやイラクなどでアメリカを批判すると、米国の腰巾着である日本政府に弾圧されてきた現実があるので、それとは違いロシアを悪者にするなら簡単で、臆病者でもバカでも慶応の教授でさえできる。そうではなく東大は矜持を持って欲しいなーくらいのことをハッキリ言ったなら良かったけれど、それは無理だっただろうことは、あの時の発言の天邪鬼にもなっていない内容から容易に推測できる。


 もう一人の東大で同じことをしたのが上野千鶴子であった。

 彼女自身が東京大学の卒業生で、教壇に立っていたこともある。あのとき上野千鶴子は東大に入れるのは自身の努力だけではないという指摘に基づいて講演していた。格差社会の問題だから、これも時期と時勢に合わせた「タイムリー」な題材だった。また「頑張ってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています」と現実も指摘した。

 この人はリベラル派のように言われている一方で、ただのフェミニズム教の信者だという批判的な評価をする人も少なくない。たしかに、その発言は観念的である。


 ではロシアについて上野千鶴子はどう発言しているか。

 たんに大手マスコミの単純なプーチン大統領を悪者にする垂れ流しに基づいてSNSで発信していた。メディアに対するリテラシーというほどでなくても、過去の戦争で現実にあったように、またマスメディアが同じことを大合唱している今のような時こそ、ふと立ち止まって考えるようにすることが必要だけれど、それを上野千鶴子はしていない。

 それどころか、河瀬直美でさえ指摘していた「簡単なロシアの悪口」を安易に述べている。河瀬直美にも劣る上野千鶴子ということだ。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年4月18日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年4月19日

 川村カオリ(1971~2009) は、特に『翼をください』のロックバージョンのカヴァーがヒットした歌手として知られ、他にもモデルなどを努め、また癌で早死にした芸能人としても知られている。



 彼女の出生地はモスクワで、ロシア人とのハーフであるが、幼少のころ日本に来て親と一緒に千葉県に住んでいたら、ハーフであることで差別的な態度をとられた。さらに大韓機事件(航路を外れて領空侵犯した旅客機がスホーイ戦闘機の攻撃を受けて墜落し乗客乗員全員死亡。今も謎の残る事件である)のさいは、学校で苛められ、それが教師からもという酷い話。

 だけど、日本の学校なんて、その程度の人がセンセイやっているものだった。あの当時、ロシアでなくても白人とのハーフは勝手にロシア人とされて虐められたものだ。

 これを、最近の一部の駅と旅館のことで思い出した


 よく外国人お断りという問題が起きている。

 知り合いの米国系日本人は、カリフォルニア州から仕事で来日して日本人と結婚して日本国籍となり住み続けているが、菊の紋章のパスポートを見せて日本人だと言っても外見がガイジンだからと拒否されることがあるそうだ。しかしガイジンでも中国人や韓国人は一見して判らないので拒否されないことがよくある。

 そしてロシア人は「飲酒しての入浴は危険なので絶対にしないように」を守らない人が多いから温泉や旅館で嫌がられるけれど、最近では戦争がらみで御断わりと表示して差別であると問題になった。恵比寿駅の外語表示からキリル文字排除は、ロシア語を見ると不愉快だとクレームする客がいたためだそうだ。


 こんなことが、ともとも日本人は大好きだから、現在進行形なのだろう。

 他にもチマチョゴリ型制服の女子に嫌がらせとか弱い者いじめ。また、そういうのを批判していたはずの人たちでさえ、戦争について冷静に判断すべきと言うだけで「親露だ」とか「どっちもどっち論だ」とか徒党を組んで楽しそうに攻撃している人たちがいる。

 これは、戦争反対と言ってカッコつけたいけど勇気が無い人たちだ。ベトナムやイラクでは戦争反対すると対米従属の日本政府から弾圧される。アメリカを批判する反戦デモで逮捕された人たちは大勢いて、これが火炎瓶を投げたならともかく、公務執行妨害なんていう警官がいくらでも自作自演する罪状でのこと。そういう心配が無いのが、アメリカと敵対する国を批判する場合である。

 この調子で、ロシアが勝てば「前からプーチン大統領が正しいと思っていた」と言い出すだろう。そういう習性が日本人にはある。言うまでもないこと。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年4月7日
  • 読了時間: 1分

 姫路独協大学(兵庫県姫路市上大野)で今月16日に開催された卒業式に来賓として出席した清元秀泰・姫路市長が「自分を三流大学出身だと思っていたら、四流や五流になるかもしれない」などと学生らに発言していた。



 関係者らによると、清元市長は、卒業生ら約300人を前に式辞を披露。

 その後「ここからは自分の言葉で話します」と断り、自らが通っていた医科大学が当時は新設校で、三流大学だと卒業式で恩師に言われたことを振り返った。そのうえで「私は母校を誇りに思い、恥じない生き方をしてきた。人として一流の生き方をしてください」などと述べたという。


 読売新聞の取材に対して清元市長は「エールを送るつもりだったが、品格のない発言になった。不快な思いをさせたのなら謝罪したい」と語った。


 どうみても善意だったのは確かだが、余計なお世話だろう。

 ここも新設だから言われるかもしれないという趣旨であり、同市長が評価して言っているのではないことも明らかだ。ただ今時そんなこと誰も気にしない。この市長は認識が時代遅れだ。

 それに「私はブ男と言われてきたけど結婚できた。努力すればモテるから、ブ男だと言われたとしても気にせず頑張っていい男になれ」と言われたら、どうだろうか。やはり失礼だろう。


 
 
 
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