沖縄の慰霊の日、日本軍の牛島満司令官が自決した時間に合わせ、那覇駐屯地の陸上自衛隊第15旅団の佐藤真旅団長ら幹部約30人が、慰霊塔を集団参拝した。沖縄戦で旧軍が何をしたか。その負の遺産を自衛隊が引き継ぐ行為である。
これについて問われると、同旅団長は「私的参拝」と述べるにとどまった。制服を着て胸に記章を付けて組織的に「私的」とは空々しく、しかも政府や自衛隊の方針に反した発想に基づく行為だから叛乱であり、自衛隊内の警務隊が調査のうえ逮捕者が出るほどの由々しき事態のはずだ。
だから問題にしている国会議員もいる。この国会議員は、前に自衛隊がらみの追及をしたため、これに反感をもった現役自衛隊から暴力的な威圧を受けたことがあるので、放置できないと考えたのだろう。
この実態があるのに、戦後75年経ってシビリアンコントロールもあるから自衛だけでなく攻撃もする「普通の国」に日本はなるべきだと言う高橋浩佑のような現実を無視して勇ましいことだけ言う「空想的軍国主義者」は、非現実的な思考をするのは勝手だが、発言はツイッターだけにしてテレビに出ないで欲しい。もっとも、そんな人を専用に出すのがテレビであり、これも社会を危険にさらす一因である。
この他にも、もともと自衛隊の腐敗堕落は度し難く、戦前と変わらないのが現実である。
だから、憲法だけでなく安保条約で米軍の影響下に縛られていないと不安に思う人たちが、日本国民と諸外国にいる。違反や無視もできる憲法だけでは枷にならないのだ。
そして、米軍基地問題など解決しない。辺野古で機動隊が沖縄の人を「土人」と罵倒したり、漫画と映画で『海猿』と美化されている海保が海上の抗議を暴力で弾圧したり、これと自衛隊が同じ体質であるせいで、外国軍によって日本の国土が蹂躙されているのだ。
つまり自衛隊の腐敗堕落が日本の主権を侵害していて、自衛隊こそ「反日」「国賊」「売国奴」のたまり場である。
この腐敗堕落を嘆いたり怒ったりしている自衛官も大勢いるが、上にはゴマスリ下にはパワハラで上昇する者が多いから、狂信的な政治家に取り入っている幹部が組織内で問題とされない。
この、昔から指摘されてきたことを忘れて、自衛隊に頑張ってもらえばいいから米軍に出て行って欲しいと言うのは、現実的ではない。