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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年8月26日
  • 読了時間: 2分

 近所の歯科でレントゲン撮影したら、一本だけ歯の神経が死んでいて、しかも歯根が他の歯と違い極端に短いから、とても不可解だと歯科医は言った。

 この歯は、矯正した唯一の歯であった。


 かつて、乳歯から生え変わった時に、生え方に難があるから矯正すべきで、なるべく早くした方が動きやすいと、歯科医は言った。

 しかし、歯が出来ていない時にストレスをかけたから、成長に悪影響したと考えている。

 また、うまく健康保険を効かせて安上りに矯正してやると歯科医は言ったけれど、後から考えると違法な混合治療だった。今、混合治療を解禁せよと主張している医師には色々と危ない言動が見られる。



 ところが、蒙昧な親は歯科医に感謝していた。

 あの時点で既に、矯正したことを後悔していた。これは絶対に失敗だと感じていたからだ。それを言っても親は理解できない。貧乏人のために自費治療を割安にしてくれて得したとしか思っておらず、そこに不正があったことにも、むしろ悪くなっていることにも気づかない、というより信じようとしなかった。


 前に行った病院に勤務する女性の看護師は、歯列矯正をしているため「歯に金具の看護婦さん」と患者から呼ばれていた。

 この人は、成人してから歯列矯正を始めたので時間と金がかかり、その費用のために働いているようなものだとまで言っていた。始めてしまったから最後までやるしかない。そして、今が大事なら歯列矯正などせず差し歯か入れ歯にしたほうが良いだろうと指摘した。

 その通りだし、なにより時間と金をかけても期待したようになるとは限らない。むしろ期待外れと失敗を合計した方が圧倒的に多数派ではないか。


 とにかく、そもそも歯列矯正とは不自然なことだから、幻想は禁物である。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年8月15日
  • 読了時間: 2分

 用事で新宿に行ったさい、東急ハンズと大塚家具に立ち寄った。


 よく、パソコンの「自作派」という人がいるけれど、家具も東急ハンズで自作の方が好きだと言う人がいる。自宅の部屋の寸法と用途に合わせて機能的に自分だけの家具を作ることが便利になるし、しかも楽しい、ということだ。

 また、執務室などはパソコンと同様に自作だと知的な感じがして仕事する意欲が出る。


 これに対して高級家具は、贅沢とか豪勢とかいう感じがするけれど、店の展示を見ていて生活感が無く、実際に自宅に置いたらどうなのかと思ってしまう。

 それで大塚家具の店内を見ていると、そういう生活感のない高級家具は、応接や会食などで自宅に客を招く部屋に置くものという感じがする。だから、その一方で他の家具と展示は実用性が常に念頭にあることが判る。

 また、それまで気づかなかったけれど、パソコン関連の家具売り場にプロバイダー契約のため担当者が居た。そんなことまで家具店がやっているのかと、少々驚いた。



 この大手の家具店は、経営者の一族で色々あったことが報じられていたが、これは家具店という業種の特徴から時代の変化が経営に影響しているのだろう。

 自分の親戚にも家具店を経営している人がいて、これが本格的だった。よく小さな家具屋で化粧合板や集積材による家具が中心という店があるけれど、そうではなく、大塚家具ほどではないが相当に大きくて広い店舗である。これが、かつては実に羽振りが良くて親戚一同の中でも得意満面という感じだった。


 ところが、近くに大型スーパーが出来た。

 そこにテナントとして入れてもらえばいいと言ったのに、そんなことしないと店主は言う。これだけの店をせっかく構えているのだから、と。大型スーパー内に家具店ができても、こちらは地元で一番の家具屋という定評があるから充分に対抗できるという自信があったらしい。

 そして、大型スーパー内に開店した家具売り場に客をかなり取られ、かつての羽振りの良さは無くなってしまった。バカだなあと親戚一同から言われていた。


 そんなことを思い出しながら、結局どうしたかというと、大塚家具ではなく東急ハンズで材料を仕入れて自作することにした。

 なぜなら、オーディオビジュアルとパソコンのため、持っている機材に合わせる必要があったから。

 
 
 
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©2020 by 井上靜。Wix.com で作成されました。

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