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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2020年11月14日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年6月24日

 テレビで『ハリーポッター』の映画化シリーズを放送していたので思い出した。

 あの当時、大学生が喜んで観ていたので、なにが良いのかと尋ねるとハーマイオニー役のエマワトソンが可愛いと言っていた。そして「でも僕、ロリコンじゃありません」と釈明していた。

 また、CGの技術的進歩により映像化できるようになったものだが、これは原作を読む方が面白いのだ。知り合いの小学生が熱心に読んでいて、その母親が言うには繰り返し読んでいるとのこと。それで読んでみたら、活字の面白さというものを再認識させてくれた。なるほど売れるわけだ。ただ、差別的な描写が気になると母親が言っていたのは、その通りだと思った。

 これは弁護士をしている人が言っていたけれど、ビデオゲームばかりしている息子に、読書の習慣が無いと勉強できなくなると気にして本を読めと言ってもダメだったが『ハリーポッター』の人気を聞いて買ってきたら、息子はビデオゲームほったらかしで読みだしたそうだ。

 とにかく、CGの進歩で映画化が良く出来ていても原作を読む方が面白い。読んだ子供が観客席に多いことを踏まえて省略や脚色をしない忠実な映画化だから子供向けにしては上映時間が長いというのも、ベストセラーだからというだけでなく、小説の方が面白いからということがあるのだろう。

 そして日本語翻訳の版元は夫婦でやっていた小出版社で、夫の死後に妻が奮闘していたところ版権を入手し、税金対策で金を海外に持ち出そうとして問題になった、という事件もあった。儲かり過ぎて税金が高いと海外に金を持ち出すことはよくあるが、外国為替管理法違反に問われたりするものだ。

 あと個人的には、拙書『防衛医大…』 にあるとおり、傷跡のストレスを緩和するため直線の傷をギザギザに縫い合わせる「Z形成術」をしているので、身体に稲妻のような傷跡があって、公衆浴場で小学生から指でギザギザの仕草とともに「なんで」と訊かれたので、戦って付いた傷跡だと言ったら「すごい。ハリーポッターみたい」と言われたことがあった。

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  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2020年10月18日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年6月24日

 先日、テレビ地上波で『プラダを着た悪魔』を放送していたが、これは前に見ていて、出版社の宴会で話題に出たことがある。

 この時に来ていた若い女性は、雑誌の記事を書きたくて某誌の見習いをしていると言うことだった。そんな女性は、少し記事を書いて掲載に至っても本採用にならない。そんな実例を色々と見ている。

 それはともかく、ファッション雑誌業界の物語である『プラダを着た悪魔』について、最初は「アンハサウェイもキャットウーマンのころはカッコ良かったけれど後に太ってしまった」ということから始まり、それからファッション雑誌とかライフスタイル雑誌とかは広告収入で経営が成り立っているという話になった。

 だいたい、女性むけのファッション雑誌は広告欲しさで危ないエステや美容外科を持ち上げていて、記事も宣伝と同じで、しかも嘘の宣伝が多いから気を付けないといけないが、だから、そうした業界で働くためには良心を捨てるしかなく、ハリウッド映画を真に受けてはいけない。

 そんな話になったのだが、そこで同席していた大手出版社の編集者も「うちなんか特にそうだよ」と言っていた。

 まあ、ハリウッド映画を真に受けてはいけないというのはファッション雑誌に限らず、新聞やテレビの業界も同じである。

最近では『ペンタゴンズペーパー』なんて映画が正にそれで、実は戦争で大儲けした軍事産業界が潮時というさい、軍の現場を悪者にしてトカゲの尻尾切りで逃げるためリークしたと、当時から指摘されていたのに、いまさら空々しく「権力を告発する立派でリベラルなジャーナリズム」という嘘八百ドラマを作るのだから、製作に関わった監督をはじめとした人たちには呆れ果てた。

そんなことを、昔みた映画の放送で思い出したのだった。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2020年9月17日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年6月24日

 増渕健という映画雑誌編集者~映画批評家は、戦争映画大好きマッチョ願望映画大好きで、反戦映画大嫌い抒情性映画大嫌いだった。

 それは勝手だが、嘘はいけない。山本薩男や今井正が、戦時中に戦意高揚映画を撮り、戦後は資本家批判など社会派映画を撮る変節をし、これについて彼らは自分の言葉で何も語っていないとし「知らん顔の半兵衛とはこのことである」と罵っていたが、事実に反している。

 おそらく、山本薩男と今井正は主に『赤旗』の紙上で語っていたから、増渕は知らなかったのだろうが、知らなかったでは済まされないし、彼らが語っていたことは単行本にまとめられてもいるから、知らないわけがない。


 もともと、映画評論家はウケ狙いで言い散らす傾向があるから、変なことを書いたりするのは増渕健に限らない。

 ところで、かつて日本映画監督協会の祝賀会に出たさい、映画人の戦争協力について話題に出ていた。すると、山本薩男と今井正に対する誤解と偏見が多いことに気づかされた。社会派映画の巨匠といわれているが、それは娯楽性も満たした面白い映画に仕上げるからで、これと戦意高揚映画も同じだった。後に観た人たちも、戦意高揚というよりただの活劇だと言う。そのあたりを取り違えているのだ。


 それにしても、黒澤明らも同様な「転向」をしているのに、エンターテインメント路線だから責められず、戦後になって少ない機会を捉え社会派映画を撮っただけで山本薩男と今井正が昔のことで責められているのは、実に不当な扱いである。

 なんてことはない、社会派映画が嫌いなだけだろう。それなら映画そのものを批判すればいいし、解らないなら黙っていることだ。




 
 
 
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