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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年2月3日
  • 読了時間: 2分

 石原裕次郎は映画会社のオーディションに落ちている。

 その後、女優-水の江滝子に売り出してもらった。水の江滝子の甥の三浦和義は、水の江滝子がある縁から頼まれて石原裕次郎の売り出し役を務めたと言っていた。一部で、三浦和義は水の江滝子の息子ではないかと言われていた。未婚の母では芸能人として不味いので兄弟の子供ということにしてもらったのではないか。その「三浦和義の父さん」は90歳台まで長生きだった。これを「喪中につき」というハガキが来て知った。


 それで、三浦和義は小さい頃にデビュー前の石原裕次郎と遊んだことがあった。

 また、石原慎太郎が運転する車に乗ったこともあると、生前に言っていた。夜間など交差点に近づくとサイレン鳴らして緊急車両と思わせ、その間に信号無視する、すごいというか、ひどいというか、そんな運転を面白がってしていたそうだ


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 三浦和義といえば週刊文春製「ロス疑惑」で有名だった。

 これを基にした映画があって、高知東生が三浦和義にふんしていた。村野武範がふんする弁護士のモデルは弘中淳一郎弁護士である。

 もともと三浦和義は水の江滝子の関わる映画に子役として出ていたが、性に合わなかったと言っていた。水の江滝子は、甥が興味をもったので出してやったそうだ。しかし三浦少年は、裏側を見たら映画界が汚いので嫌になったそうだ。それは良くわかる。

 そんな三浦和義が後に製作した映画に、鈴木宗男がカメオ出演していた。その縁から三浦氏の葬式に鈴木氏は花輪を贈っていた。


 三浦氏は「鈴木宗男さんは、男ならこうあるべきという見本のような人」と絶賛した。

 では、特に女性などに対してだが、いつも相手を見て嫌らしい態度をとる人の、どこが男らしいのかと三浦氏に直接糾したことがある。

 そして、最近、辻元清美が言っていた。選挙区で維新が辻元を個人攻撃する戦法をとって、これを菅直人が問題にしているが、あのとき自民党を追われて維新に移った鈴木宗男は「辻元は頭に虫が湧いている」「ひとでなし」などの罵声を口汚く声汚く拡声器で喚いた。

 鈴木宗男という「男」らしい人は、相変わらずということだ。


 あれから、三浦和義は死んで、けっこうな月日が経った。そして石原慎太郎も死んだ。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年1月23日
  • 読了時間: 2分

 東京オリンピックに関して、スポーツの選手と元選手たちの態度。

 良識をもって、社会的な見地から発言する人たちが少数ながらいるけれど、目立つのはバカ騒ぎ翼賛である。目立つのは多数だからとは限らない。多くの人は黙っている。


 これについてスポーツ推薦で大学に入った人に訊いたことがある。

 なにもかも補助金のためだと言う。そうでないと活動できない。だから大学では当局の御用学生だし、社会に出ても権勢に媚びる。

 ちょうどオーケストラと同じである。そうでもしないことには何もできない。このため積極的に醜いことをしている人たちがいるけれど、その人たちは恥知らずで、多くの人たちは沈黙を強いられているという。

 しかし、それで当然のことだと思い込んでいる人が多いようで、そのスポーツ推薦で入学した人も、媚び諂いに疑問をもっていなかった。


 映画の製作でも同類項の人がいる。

 その最たる人は河瀨直美監督である。いつも製作費で困るから、国の補助金が欲しいと政治家に言って、そのたびに媚びている。だから映画の内容も、日本を世界に知らせたいからだと言って、ホラーではないオカルト映画ばかり撮っている。

 しかし、権力にすりよりオリンピックの記録映画を撮ることでレニ-リーフェンシュタールのようにしたかったのだろうが、あのNHKで放送したデタラメ記録映画からするとヤコペッティであった。あの記録映画は自分の作品のはずだが、それをNHKが勝手にやったかのような態度で「残念」と言っているのだから、まるでヤコペッティが『世界残酷物語』の内容を残念だと言っているようなものである。


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 ヤコペッティのスタッフが作った『グレートハンティング』が世界で大ヒットした。

 これは野生動物の生存競争がテーマだが、そのうち最も話題だったのが、サファリパークで観光客がライオンに食い殺されるショッキングな場面である。男性がカメラを構え撮影に夢中になっていて、ライオンに接近しすぎてしまい襲われる。たまたま居合わせた他の観光客が撮影していたけれど、そこで動揺したようにカメラが揺れるのがわざとらしく、さらに悲鳴をあげる家族の女性が一瞬チラッと映ったりしてヤラセ臭い。

 この動画は、犠牲者の重過失を指摘して保険会社が保険金の支払いを拒否し、遺族と裁判になって、証拠として提出されたものが流出した、というナレーションのもっともらしい説明が逆に嘘臭かった。

 この懐かしい映画を、河瀨直美のNHK五輪「ドキュメンタリー」映画により、久しぶりに思い出したのだった。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年1月14日
  • 読了時間: 2分

 米国の俳優シドニー-ポワチエが死去したと報じられた。

 90歳台だったが、昔のモノクロ映画で「黒人」初のアカデミー主演男優賞を受けた俳優であったことも訃報で強調されていた。その映画『野のユリ』は、題名が聖書から来ていて、荒れ地で教会建設に勤しむ青年という役どころだったが、これは「白人に尽くす善良な黒人」だと指摘があった。

 しかも、これは旅の途中で調子よく乗せられ利用され働くのだが、教会を建設したがっているのは白人のシスターたちで、東ドイツから米国に、共産主義の迫害から信教の自由を求めて来たという設定であった。


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 同じころのモノクロ映画に『いつか見た青い空』があった。

 これは母親の暴力が原因で失明した白人少女を黒人青年が励まし、眼が見えない少女は青年を慕うようになるが、彼は黒人だから駄目だと母親は娘を叱り、そこで青年は少女に自立させようと努力する、という話である。

 また、後のカラー映画『夜の大捜査線』では、人種差別が強い米国南部へ都会から捜査の応援に来た警官が、都会の警官ゆえ洗練されていて科学捜査にも詳しいから重宝がられる一方で人種偏見も受けるという話だった。


 その後、デンゼル-ワシントンがマルコムXに扮して演説したりするようになった。

 しかし、シドニー-ポワチエが活躍しはじめたのは、まさにマルコムXが活躍して暗殺された時代だったのだ。

 年配になってからは『ジャッカル』でブルース-ウィリスやリチャード-ギアと共演していたのが印象的であった。脇に回って締めるような演技だったことを憶えている。

 
 
 
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