先日、テレビでディズニーの映画『アラジン』が放送されたが、これについて「アニメ」と書きかけて、厳密には不正確な表現であることを思い出した。
そもそも「アニメーション」とは絵を動画化する技術のことだから、それによって製作された映画なら「アニメーション=ムービー」などと表記すべきで、省略して「アニメ」というのは日本で作られた言葉だから、外国で「アニメ」というと日本製の作品という意味になるらしい。
これを英会話教室で聞いて思い出した。
あの高畑勲監督が昔、確定申告のさい職業欄に「アニメーター」と書き込んだら、税務署の職員からどんな仕事なのかと問われ、映画関係と言わずに絵の仕事と言ったら「絵描きの先生ですか」と言われてしまった。
それだと日本画家や洋画家のことになるし、絵を描くだけなら相棒の宮崎駿作画監督に任せている。当時はアニメーションという言葉が知られていなかったので、それを駆使した映画を作る仕事というアニメーターでは解らない人がいて当然だった、という話。
そういうことなので、「ディズニーのアニメ」という表現は日本語ワープロには候補として入っているが、実は不正確ということだ。
ところで、結婚披露宴の「お色直し」でコスプレ衣装を着る人たちが時々いる。時代劇の恰好をしたり、映画の真似をしたり。
それで知り合いが『アラジン』の衣装を着て主題歌を流して悦に入っていた。新婦が、この映画の大ファンだったからだ。
ただ、その新婦はかなり小柄な女性であった。新郎は特に大柄ではないけれど、花嫁と花婿は身長差がかなりある。しかも新郎は相当太っている。そんな二人がアラビア風の衣装を着て並んでいるから、招待客たちがヒソヒソと言っていた。
「これじゃ、アラジンじゃない。ハクション大魔王とアクビちゃんだ」