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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2023年1月9日
  • 読了時間: 2分

 立憲党の代表が乃木神社に参拝して問題になった。

 ここで泉代表の態度が悪いのは、右翼から支持されたいと言い続けた一環なのに、批判をされたら祀られている人は意識していないと嘘をついたことである。もしも噓でないなら無知であるという指摘もされていた。


 乃木大将は稀に見る無能な指揮官だった。

 もうすっかり有名なことだが、日露戦争において二百三高地の攻防のさい、敵の要塞に突撃しては狙い撃ちされる繰り返しで、大勢の死者を出しては兵士の補充を求め、また相変わらず策も無く無謀な突撃と無駄死にさせては兵員の補充を求める繰り返しだった。この実態を知った大本営が、乃木はバカだと憤り呆れた。

 ところが、後になって明治天皇に殉死したということでプロパガンダに利用された。だから神社も出来たのだ。

 そんな神社に、泉代表は国の先行きについて祈願したというのだから、日本を滅ぼそうとしているとしか思えないが、この種のことで日本の右派が批判することは無い。つまり、神社に参拝することなど、その種の日本人たちにとって実はどうでもいいことなのだ。


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 受験で湯島天神に合格祈願するのも同じだ。

 あれは猛勉強しても報われなかった菅原道真を慰める施設である。そこへ合格祈願しても虚しいどころか危険ではないか。しかし、別の意義がある。

 かつて自分が受験生だった時、うちの父親は湯島天神の御守を買って来てやったと恩着せがましく言った。だから家庭教師や予備校やZ会や進研ゼミなどは無用だろうと言う。そんな金のかかることでなく数百円の御守で済ませろということだ。

 これは靖国神社や護国神社と同じだ。戦争の英雄を称賛して遺族に手厚い補償をすると金がかかるが、英霊と称して神社に祀るなら実に安上りである。つまり金が無いのでケチということ。


 ただし泉代表の言い訳にも当たっている部分はある。

 それは、神社に参拝するさい誰が祀られているか意識しないという部分である。たしかに、多くの日本人は、そうである。だから例えば、祀られているのが半島から渡来して日本で死んだ朝鮮人である神社が各地にあるけれど、知らないで参拝している。

 これだから、自民党の政治家たちが統一協会と平気で仲良くしているのも不思議ではない。


 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年12月15日
  • 読了時間: 3分

更新日:2022年12月15日

 ロシアでLGBTに関する情報を規制する法案が通った。

 これに署名したプーチン大統領は、世界的な潮流に反してないかと批判されると、欧米や西欧とは違うと言った。もちろん、大統領としては欧米や西欧との対立があるから言ったことは充分に考えられるし、そもそも欧米や西欧とは事情が異なるのはロシアだけではない。そう考える人は日本にもいる。


 しかしプーチン大統領に影響したのはロシア正教会の意向だ。

 こういうことには宗教界の影響が常にあって、日本でも同様であり、例の極右団体「日本会議」に巣食う宗教とロシア正教会は同じ体質である。そしてプーチン大統領がロシア正教会の支持を受けているのと、自民党が宗教右翼さらには統一協会などカルト宗教の支持を受けるのも、同じ構造がある。


 そして杉田水脈議員など、統一協会などの支援を受けても悪くないと言う。

 あの人は、自分を国会議員に押し上げてくれた安倍元首相が殺害される事件の原因を必死で否定しているし、そんな人であるのが良くて首相は内閣の役職に抜擢した。それで国会の問題として取り上げられた。杉田議員は、前に居た団体に合わせていたからだと言うけれど、国会議員になってからも議場で堂々と「男女平等は実現不可能な反道徳の妄想」と言ってのけており、そんな差別意識を露骨に発露する人を任用するとは何事かと野党議員に指摘されたけれど、自民党としては何も問題が無いと思っている人が優勢である。


 なにより宗教は戦争の正当化に便利である。

 もともと、戦争の原因である政治・経済・外交・地政学などは、一般国民の多くは関心が無くて解らない。だから自分の頭で考えて判断して政府の政策を支持するか否かを決めるべきなのに出来ない人が多い。

 そこへ宗教団体が、とにかく国の指導者がやることには素直に従わないといけない、理屈をこねて批判するのは悪い事だと説教すれば、言いなりになる庶民が多い。ロシア正教会だって政府は正しいと言い、プーチン大統領としては重宝している。プーチン大統領はKGBに勤務していたさい、公務員だからソビエト共産党員だったから無宗教であるけれど、今はありがたく利用している。ソビエト時代だって実は、そう変わらなかった。宗教は迫害されていたけれどロシア正教会は生き残ることが出来て、それはKGBに信者の懺悔の内容を密告するなど協力していたからだ。


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 だから自民党だって宗教を重宝がる。

 国民の生活が苦しいのに防衛費を倍増させると言い出し、自衛ではなく先制攻撃もできるようにすると勝手に言い出して危険だと指摘されるが、そもそも安全保障を充実させる結果として費用が増えるもので、それを効率化でなるべく安くしようとするはずだが、まず費用の倍増ありき、一部の業界を大儲けさせたいだけで安全保障などどうでもいいとしか思えず、それでも何故か内閣支持する国民がいるかというと、第一に宗教の影響がある。少なくとも、自民党を支持する宗教が、軍拡は駄目だとか絶対に言わない。逆に煽るなら毎度のことだが。


 だから、宗教は庶民を誑かしてばかりなのだ。

 そんな宗教は信じてはいけないと言っても、そういう宗教を信じる庶民には絶対に理解できない。そんな庶民を相手に宗教団体は商売しているのだ。あれは飽くまで世俗の事業である。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年12月11日
  • 読了時間: 2分

 たまたまラジオで国会中継を聞いた。

 そうしたら、宗教団体が勧誘の時は言わずにいて入会後に寄付金を強要する手口が問題にされていた。

 もちろん、これは統一協会の話だが、他の宗教団体も同じことをしているところがあるから国会で問題として取り上げられているわけだ。


 例えば自分の体験で実際あったこと。

 かつて創価学会員に勧誘されて、うちは会費と機関紙代だけと言うので、元会員に本当かと訊いたところウソと断言し、だから脱退したが激しい嫌がらせを受けたそうだ。

 これについては、後に裏付ける話をいろいろと聞いた。脱会したら嫌がらせというのは創価学会員が多い団地で激しく、転居して逃げたと言う元住民の話も聴いたし、住宅局では嫌がらせや集団いじめのため転居の斡旋をすることがあるけれど、これはもともと宗教がらみ特に創価学会が原因で始めたことだと明言していた。


 また、共産党を中心にする超党派の議員らが転居支援していた。

 この超党派には自民党も含まれていた。昔のことだが。ただ、なんで議員まで出てきたのに嫌がらせを止めさせる方向ではないのか疑問に思って訊いたら、止めさせられるくらいならそうするが、無理だとのこと。

 ところが、今では自民党が忌み嫌ってきたはずの公明党と連立政権になって久しい。これでは、統一協会の問題で法改正など連立政権下では不可能だろう。


 この創価学会員の勧誘については拙書『防衛医大...』に出てきた医師が最初の話であった。

 「山本リンダが来るよ」と集会に誘うので「困っちゃうな」だったという所から始まる。これには深刻な話なのに笑ってしまったという人が多い。しかし笑ってばかりもいられない。

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