角川書店には辞書もある。
中学から高校まで、角川の国語辞典、漢和辞典、古語辞典を買っていた。どれも値段が手頃なうえ装丁が洒落ていたからだが、中一の時に同じ組の男子に「辞書にとって大切なことは内容の充実と使いやすさだ。デザインで買うのはバカ。角川の辞書で良いのは見かけだけだ。お前は勉強の仕方を解ってない」と言われてしまった。
そいつは勉強に凝るほうだったから成績も結構な良さだった。それに対してこちらはマアマアというところ。それでも、ろくに辞書を使わず成績が悪い人たちから見ると、真面目にやっていて成績が良いほうだということになる。だが、とくに成績の良い人からすると追求が半端に見えるようだった。
たしかに角川書店の辞書は使いにくかった。
そのため、よく考えると勉強に悪影響していたと思う。値段が手頃なうえデザインが良いけれど、そればっかりで中身が伴っていない、というのは角川書店が商業主義である証の一つかもしれない。
また、辞書は受験なら旺文社で、実用なら三省堂だと思う。使っていて実感する。
最近、英和辞典を買った。
受験から日常の実用までの、やや大型の紙の本だけど、今のものは実に良くできている。検索とか機械の技術ではなく、こうした内容の進歩こそ重要だ。
今の高校生が羨ましい。大学受験のとき、今の辞書があったら全然違った。この辞書を『ドラえもん』の「セワシくん」みたいにして高校生の自分に渡したい。
あと、小型の国語辞典も買った。昔「ダットサン」と言われた民法の教科書があった。小型だが馬力があるという意味だ。そんな感じの小型辞典があったので。法学部教授をしている人が、商売柄、六法全書は毎年買い替えていると言っていた。しかし法律だけでなく国語も変わるものだから、時々は辞書も買い替えるべきである。
もちろん、どちらも角川書店ではないものを。