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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年7月7日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年8月3日

 昔、志茂田景樹さんが珍しく共産党の赤旗日曜版にカラー写真入り登場し、二大政党を批判していた。

 それは支配層にとって今の紐付き党が駄目になった場合の保険だ、と。これに対して小沢一郎支持者が、二大政党が駄目だというのは政治音痴だという根拠のない攻撃を繰り返した。明らかに小沢贔屓テレビ朝日の影響だ。



 選挙の投票率が低い原因の一つに、マスメディアの宣伝なかでもテレビ朝日とくに『ニュースステーション』の影響がある。

 この放送局は反自民を偽装して日本をどんどん右に引き寄せるプロパガンダを執拗に繰り返してきた。そこで、平和だの福祉だのと無意味で有害なことを説く野党とくに共産党なんか議席の無駄だから排除せよと、悪意の政治学者を出して宣伝を繰り返した。そして視聴率も高かったから、二大政党が破綻すると、それなら投票は無駄の手助けだと思い込んで棄権したと言う人が多くいたもので、この影響が続いている。


 また、選挙の投票に行かない人は現状で良いと思っているから棄権する。

 現に、与党が負けそうなら投票に行くと自民党支持者はよく言っている。だから政権不支持の者が野党に勝ってほしくて投票率を上げようと言うのは間違いだ。あくまで、低投票率だと組織票が強くなり宗教団体が政治を牛耳るから投票しようと呼びかけるべきである。


 ところが、今回の都議選は低投票率だったので、むしろ自民党は勝率では一人負けの結果だった。

 もともと投票しない人は現状維持志向だから、その人たちが投票すれば自民党は得するが、おそらく積極的支持ではない人たちが、果たして今回は自民党に投票すべきかわからなかったから棄権したのだろう。


 また、相変わらずマスコミは自民VS都フの構図を煽り、他党が有権者から無視されるように誘導する不公正な姿勢に終始していた。

 都フは小池百合子都知事の与党だが、反自民党のように見せていて中身は自民党と変わらず、政策ではなく勢力争いしているだけ。もともとタレントだった小池百合子都知事の政治の師匠は細川護熙もと総理大臣で、この人からして小沢一郎と共に元自民党田中派で、自民党を批判しながら取って代わり同じ政策をしたり、時には協力したり、ということをしてきたのだった。

 だから師匠が師匠なら弟子も弟子である。


 この流れである。それに昔から今まで多くの人が騙されてきたのだ。


 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年6月25日
  • 読了時間: 4分

更新日:2021年6月25日


 今では「たちばなたかし」と入力すると立花隆ではなく立花孝志と変換される。NHK批判だけで議員にまでなった男の方が有名となったのは、それだけNHKが国民の敵と化している実態とともに、「田中角栄研究」も過去の遺物と化したからだろう。


 その古いほうの立花隆が病死した。このさいマスコミの報道では、やはり「田中角栄研究の立花隆」という見出しであった。

 かつて双璧のジャーナリストとして、本多勝一が行動派なら、立花隆は資料派と言われた。それで立花隆は膨大の書籍を収納する書斎専用の建物を所持し、壁面に猫の顔のイラストが描かれていたので「立花隆の猫ビル」と呼ばれ、テレビで筑紫哲也が取材して内部まで紹介していたことがある。だから知っている人は多い。猫は立花隆が好きな動物ということだった。

 このさい筑紫哲也は、立花隆が高価なオーディオ機器を所持しているけれど、趣味ではなく仕事場だから持ち込んでいないと指摘していた。立花隆は赤塚不二夫と共にモノカキでオーディオマニアとして知られている。あと、色々な音楽を聴くけれど、好きな歌手は藤圭子だと公言していた。その当時、彼女の娘は活躍していなかった。


 また、本多勝一は朝日新聞の当時からその後まで文芸春秋と敵対していたこともあるが、その前から文芸春秋とは無関係に立花隆には手厳しかった。

 立花隆の代表作『田中角栄研究』は飽くまで反田中であって反自民党ではないが、『日本共産党の研究は反宮本ではなく反共産党であると指摘し、立花隆は田中角栄を調べたのも好奇心からだと述べるが、なぜか原発や天皇にはその好奇心が無く、実は商売からの処世術ではないかと推測していた。

 いちおう、立花隆は他の評論家よりは天皇の戦争責任について、本多勝一ほどではないが、批判的に言及してはいたが。


 さらに、お笑い芸人集団「大川興業」代表の「大川総裁」は、読書好きのため読み終わってからも取っておきたい本が溜まり置き場に困って、広い家に引っ越そうとマンションなど賃貸物件を探していたが、不動産屋から芸能人は収入が不安定だと難色を示されたので職業差別だと怒りながら「猫ビルみたいなのを建てればいいが、金がかかる。私は不器用なので他人の金脈を追及して自分の金脈を作るなんて真似はできない」と皮肉っていた。


 もともと田中金脈の追及は、日本共産党の機関紙『赤旗』が立花隆より数年前に追及していたことで、立花隆の代表作は共産党の後追いである。他の著書も、共産党や中核派と革マル派といった左派批判については、当の左派から徹底反論はもちろんのこと政治学の分野からも風説だけに基づいた杜撰で悪意あるものだと指摘を受けていたし、映画化された宇宙ものとか自然科学関係でも理科系の人たちを中心に、せめてブルーバックスくらい読んで基礎から勉強してからにしろと批判が起きていた。

 ようするに、立花隆は今の百田尚樹や門田龍将らのように、他人が努力した成果から上澄みをさらってあたかも自分が立派なことを書いているように見せかけて上手にマスメディアの波に乗りベストセラーにした一人だった。


 しかも、立花隆は反共というだけでなく80年代すでに出版業界では文春お抱え右派ライターという定義づけをされていて、田中角栄を擁護する上智大学の渡部昇一を徹底批判したのも、後に文春を出てWILL誌を創刊する堤堯らの路線と対立した文春内ゲバという見方をされていた。堤からは酒に酔って暴言を吐かれたと立花は述べていた。

 それを勘違いして、権力にすりよる渡部のデタラメを批判して立花は立派という人たちがいるので、あの当時を知らない人が多いことを再認識した。そこには年齢的に知らなかったわけがない人までいるのだから。


 ただ、知らなかったでは済まない。

 まず反共産党の左翼で、変節する前の創価学会と仲良くしていた出版社が、文藝春秋社の右派人脈を告発し、これに文藝春秋社は取次に働きかけて出版妨害したから、最近の週刊新潮への妨害にも通ずる手口だが、その告発本の中で立花も問題に挙げられていたし、別個に共産党の機関紙誌も詳しく立花に反論し、さらにずっと後には週刊金曜日にも立花の人権無視体質に厳しい批判が掲載されていた。

 これらを知らない人たちは、まず事実を確認することだ。


 それにしても、立花隆が死んでマスコミが「知の巨人」と評していたのには失笑させられた。

 これは立花隆が「あの渡部さんってバカなんじゃないの」と文藝春秋の編集者に言った渡部昇一も死んだら「知の巨人」とWILLが書いていたからだ。「痴」の間違いではないかと真面目に言われていたが、立花隆は『知のソフトウエア』、渡部昇一は『知的生活の方法』という同じような本を書いていた。題名だけでなく中身も実質同じであった。ムジナはタヌキと巣穴をシェアすることがあるけれど、そこは文藝春秋ということで、まさに「同じ穴のムジナ」であった。



 
 
 

更新日:2021年6月23日

 朝日新聞が風俗営業の撲滅を主張した日、一人の少年が風俗嬢を殺害する事件が起きた。


 今、新型肺炎による生活困窮者が発生し、その支援について日本の遅れと政府の責任が問われ、内閣支持率も低下の一方である。ここで政府は、風俗営業に携わる人たちに関して、不道徳で反社会的な業種だから助けることは無いという方針のようである。

 これに対して様々な意見があるけれど、朝日新聞の場合は風俗撲滅の主張を掲載した。その日、一人の少年が風俗嬢を殺害したということだ。


 ただし少年は朝日新聞に扇動されたかとなると、果たして読んで考えたうえでの行動なのかと疑問である。

 だから偶然かもしれない。朝日新聞を非難している風俗関係者も、たまたま同じ日だっただけの可能性を否定していなかった。だが、そのような事件が起きかねない社会の雰囲気を作ることに朝日新聞が手を貸したとは言い得るのではないかと指摘していた。なぜなら、朝日新聞は昔から風俗営業を目の敵のようにしてきたから。



 朝日新聞には似たような事件を挑発した前科がある。


 それは1960年のことだった。作家の深沢七郎が、もしも日本に革命が起きたら、という小説の中で、皇族が次々と斬首で殺害される場面を書いたところ、これに宮内庁が怒り、発行元の出版社は恐怖の描写だと説明したが、朝日新聞の一面コラム『天声人語』は、フィクションだからと許されないという徹底的な非難をした。

 そして右翼の少年が、発行元の中央公論社の社長を殺害しようと刃物を持って同社の嶋中社長宅に侵入し、社長夫人に負傷させ家政婦を殺害した。「嶋中宅事件」または小説の題名から「風流夢譚事件」と呼ばれている。



 この右翼少年が、天声人語を、あるいは朝日新聞を、おそらく一切の新聞を、読んでいたとは考えられなかった。だが、このような事件を起こしても悪いのは出版社だということになりそうな雰囲気だったから、自信をもって凶行に及んだのだ。この雰囲気を宮内庁と朝日新聞が醸造したのだ。そして実際に、暴力の被害者である出版社の方が謝罪に追い込まれた。

 それで井出孫六など当時の進歩的な論客たちが、宮内庁と天声人語と右翼の三位一体が勝利したと、皮肉としてではなく非常に由々しきものだとして批判したのだ。


 このように、朝日新聞が宮内庁や内閣に合わせて雰囲気づくりして、そこで扇動されたような少年がテロリズムに及んで殺人事件を起こした、ということで風俗嬢殺害事件は風流夢譚事件と見事に共通しているのである。

 
 
 
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