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​炬火 Die Fackel 

 学生の時、一緒にバイトしていた韓国人の留学生がいた。

 にしきのあきら似で、スポーツが得意だったから韓国では女にモテたそうだ。



 あるとき、勤め先の社長が「韓国は日本の悪口ぱかり言ってないで仲良くするべきだ」と言ったので、原因を作った側の日本から言うのは不当だと思ったが、その韓国人留学生は違った。

 「ぼくも、そう思います」と言って、しかし続けて「それで日本に来たけれど、下宿を探していたら『韓国人なんて駄目だ』と断られてばかりだった。仲良くする気が無いのは日本人の方でしょう」と指摘した。

 これに社長は黙ってしまった。


 この話をすると「韓国人なんて駄目に決まっている」と言う日本人がいた。

 しかも「韓国人は新大久保に行け」とか。こういうことを言う人が少なくないので、これによって「仲良くする気が無いのは日本人の方」であることが証明されてしまっている。

 つまり否定するつもりで逆のことをしているのだ。


 アパートの賃貸で、日本人でさえ審査が煩すぎる問題はある。

 だから、家庭内暴力から逃れて離婚裁判を起こしたいという女性の住むところが見つからず、小さい子供がいると尚更である。女性であるとか子供がいるとかでも偏見があるのだから、外国人に対しても偏見は当然にある。

 そうした一般的なことではなく、ここで言われているのは日本と韓国が仲良くすることであるから、それなら住むところが見つかりやすいようにしないといけない。

 

 結局は韓国人への偏見があるからだ。

 その韓国人留学生は、偏見どころか韓国に好意的な大家がいたので住処が見つかった。大家さえ偏見がなければ特に困ったことは起きない。

 ただ、その韓国に好意的な大家の日本は統一協会の信者だった。それで、統一協会に多額の寄付をしているし、韓国人にも偏見なく入居させたのだった。

 だから韓国人留学生は統一協会に感謝しているかというと、そんなことない。当たり前だが、偏見を持つ日本人が悪いのであって、統一協会のため韓国に好意的であることは少しも良いことではないと彼は言っていた。


 彼は韓国の一流大学を出ていた。

 そこではかつて統一協会のサークルがあったけれど「学生たちに潰されました」とのこと。自民党が相変わらずの日本より韓国の方がまとも、ということだ。

 あと、韓国や中国から来て働いている人たちは、観光客など外国人に対して日本語・韓国語・中国語・英語などで応対するのが、特に若い人ほど、平均的な日本人より遥かに上手である。

 これは、日本だけGDPが伸びない一因だろう。日本人はウカウカしている間に、中国にも韓国にも追い越されてしまったのだ。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2024年8月26日
  • 読了時間: 3分

 今、スーパーの米売り場の棚は空っぽ。





 全国的に米が不足しているからだ。もともと日本は米が豊作になり余ると「古米」「古古米」が不良在庫となり、それで農家に減反を強制していた。そして不作になると足りなくなって混乱する、という連続だった。

 また、アメリカから余った小麦を押し付けられたので、学校給食をパンばかりにして、ゴハンよりパンの方が栄養的に優れていると広報していたが、だぶついた米の処分のため「米飯給食」が実施されるという場当たり的な対応が昔からのことだった。


 米を政府が買い上げて、余ったら低所得者に現物支給したり、外国に無償援助したり、そうやって、国内では社会政策として、国際的には恩を売るため、という政策を、なぜか日本はやらない。余ったら減反という漠然とした政策によって、農家の意欲と収入を殺ぎ、農業生産力の維持には無関心。

 これが日本の「優秀」な官僚たちのしてきたことであった。


 ロシアでは小麦が大豊作である。

 かつては不作になるたびアメリカから輸入していた。だから冷戦時代で対立していてもソビエトはアメリカにとってお得意様じゃないかと皮肉が言われていた。もとはフルシチョフ首相の失政だった。彼が失脚した主な原因の農政大失敗が、その後も影響していた。

 それでプーチン政権は農政に力を入れていた。豊作になれば輸入が無用であるだけでなく余剰は外国に援助して外交の取引に使える。


 プーチン大統領は官僚だった時に政治論文を発表していた。

 それは、自国の地下資源をもっと有効に利用するべきというもので、農産物をアメリカから輸入するための外貨を得るため輸出するのでは、自国の経済のためならないうえ対立している外国を富ませることになる。それで、この原因である農産物の輸入をしなくてよくするためには農政に力を入れるべきだ、という結論だった。

 そして、かつては小麦を積んだ輸送船がアメリカの勢力圏を出たのを確認してからソビエト軍はアフガン侵攻したけれど、そんなこと無用になったし、地下資源の利益と余剰の農産物は自国と友好国のために使える。これで北朝鮮も潤っているらしい。


 プーチン大統領が官僚だった時に勤めていたのはKGBだった。

 だから諜報部員として外国語や軍事に詳しく、来日したら柔道着に黒帯しめて披露していたように五段の腕前である。

 また、国家戦略として関係する政治と経済でも論文を書いていた。そして政治家になったら実施したのだ。これがウクライナの件でも、欧米の制裁が効いてないなど色々と功を奏している。

 これに比べて、日本の政治家も官僚も戦略がない。だから防衛費を倍増させてアメリカが在庫処分するために売る武器を言い値で買い、給与は上がらないのに増税、そのうえ国内の食料が足りなくなる、という無様さである。

 でも、自民党の政治家たちは自分だけ裏金づくりしていれば満足ということである。これに司直も大甘どころか不正の水準の対応である。


 しかし怒らない日本人。

 オリンピックでまた話題のマリーアントワネットが「パンが無ければケーキを食べればいい」と言ったとか言わないとの話があるけど、アニメの『ドラえもん』で、のび太に自分のことを自分で出来るように教えようと思ったママが「ママ居ない時にお腹が減っらどうするの」と訊き「その時は自分で炊くのよ、やり方を憶えなさい」と言うつもりだったのに、のび太の答えは「じゃあパンを食べるよ」なので、ママと一緒にドラえもんも困惑する、という話があった。

 今、スーパーに米が無いからパンが売り切れている。それは仕方ないとしても、ここで農政に怒らないのでは、日本人はのび太と同じである。

 
 
 

 長崎市の原爆慰を米国大使は祝典と言った。

 戦勝国としての意識が、戦争の犠牲者を追悼することも祝勝と認識させているのだろう。だからオバマ大統領は記録映画の上演で原爆の爆発を見て拍手していた。

 この一方でロシアのプーチン大統領は十字を切って犠牲者を追悼していた。プーチン大統領は広島と長崎の原爆は無用だったとし、アメリカを批判していた。これは昔からソビエト連邦の歴史教科書でも説かれていたことである。

 また、アメリカ国内でもオリバーストーン監督が語り部を務めた近代アメリカ史のテレビドキュメンタリーでも、原爆の所持で急に気が大きくなり増長していたトルーマン大統領の姿勢をとりあげ、使用の正当性に疑問を投げかけていた。


 そしてイスラエルのガザ殺戮のこと。

 これに抗議する長崎市の追悼式を、アメリカをはじめとした西側諸国はボイコットした。ここまで日本はコケにされている。それでも日本のマスコミは、西側諸国に迎合していれば良いという態度を崩さない。

 だから、中国のことでもロシアのことでも同じ姿勢である。ところが傀儡政権となっている自民党を支持する人たちならともかく、反対に批判的な人たちが同じ認識を持っているのはなぜか。自民党政権を支えるマスコミの報道を鵜吞みにしているからだ。


 記者クラブ垂れ流し受け売り報道の実態と害毒は既に知られている。

 そして冤罪事件など権力による深刻な人権侵害を、報道が世間を煽り立て「セカンドレイプ」していることも昔から問題になっている。

 しかし警察が発表したことなら間違っていても信じるに足るものであるとされる。だから名誉毀損や業務妨害で裁判に訴えても勝てない。

 これと同じ調子で、国際問題も報道されている。冤罪で人権侵害しても警視庁記者クラブを鵜呑みにしたなら許されるのと同じように、西側諸国に合わせていれば良いというのが日本のマスコミである。



 自民党政権に批判的なのに同じ対米隷属の人たち。

 これも戦後のアメリカによる占領政策が成功した証なのだろうが、それにしても、野党を支持してはいても、立憲党を支持している人たちは保守だから当然のことだし、共産党を支持している人たちも同じで、これは機関紙『赤旗』が売れなくて金が無く商業紙の受け売りをしている影響だけど、それ以外の人たちまで同じであることが圧倒的というほどである。

 それだけ、関心があるようでいて実は無関心の人ばかりだから大勢に絡めとられやすいということだろう。

 
 
 
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