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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年4月12日
  • 読了時間: 2分



 ガガーリンの実家は典型的な地方の庶民だったので、その出身者が英雄になると庶民の希望になるということだった。「アメリカン-ドリーム」と同じで「ソビエツキ―-ソーン」(合ってる?)ということ。


 ロシアの映画で「おじさんが子供のころ、ガガーリンは少年たちの憧れだった。でも飛行士になるには宇宙局か空軍の養成所に入らないといけないけど競争率が高いからよほど成績がよくないとダメだった。おじさんの両親は進学に興味が無い人だったので…」という場面があった。

 つまり教育が完全無料のソ連でさえ、親の意識が子供の教員に影響するということは、世界中にある。そう悟った。


 ガガーリン飛行士は小柄だった。身長は170センチも無かった。操縦席は狭いので大柄な人は向いていない。プーチン大統領も170センチくらいでロシア人にしては小柄。だからジェット戦闘機の操縦をしていた。「大きいことは良い事だ」とばかり言えない。

 また多くの候補者の中から選ばれたのは「ユーリー」というロシア特有の名だったので有利(ダジャレではない)になったという説がある。人類初の宇宙飛行士はロシア人だと記録を見て判るようにと。ロシアの名前といえば「イワン」が有名だが、これはドイツの「ヨハン」、イタリアの「ジョバンニ」、イギリスの「ジョン」、アイルランドの「ショーン」と並べれば元々同じ名前だと判る。


 ガガーリン飛行士と同じ名前でロシア系のプロボクサー「ユーリー-アルバチャコフ」がいたけど、最初は語呂が似ているので「ユーリー海老原」と所属先が名乗らせたが、本人の希望で本名にした。ロシア語で「エビ」は嫌らしい下品な意味と同じ発音だから嫌だったそうだ。海老原や海老名などエビが付く姓は、ロシア語だと「ウルトラマンコロナ」「ウルトラマンコスモス」と同じことらしい。

 作曲家の團伊玖磨の姓も中国語だと同じことなので、中国に行く時は漢字を変えろと言われても当人はしなかったとか。

 中国がソビエトの技術を参考にして独自に開発した有人宇宙ロケットの乗組員の名前は「ヤン-リーウェン」で、中国人初の宇宙飛行士は『銀河英雄伝説』を意識したのか、あれは『三国志』をSFにしたから、と噂されたものだった。

 



 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年4月11日
  • 読了時間: 3分

更新日:2022年4月11日

 自由民主党のジリノフスキー党首が死去したそうだ。

 この人もウラジーミルである。レーニン、プーチン、ホロビッツ、アシュケナージらと同様に。彼はコロナウイルス感染し、この影響で身体が弱っていたらしい。彼が中心になり結成した自由民主党は日本の自由民主党と区別するため日本のマスコミでは「ロシア自民党」と表記されていた。



 この人の学歴は「モスクワ大学夜間部卒」だった。

 モスクワ国立大学(略してモスクワ大と記載される)は、日本では東京大学である。首都の国立大だから(日本で言うなら偏差値で)国一番の大学である。二番目は旧首都の大学であるペテルブルグ国立大学である。日本なら京都大学だ。レニングラード大とかペトログラード大とか街の名称が変わるので大学名も合わせて変わっていたが、それはロシアの旧首都であるからで、今は二番目だが伝統があるからレーニンとかストラビンスキーとか有名人が卒業生にいる。


 同地の出身であるプーチン大統領もペテルブルグ大卒である。

 彼は少年時代に活劇で諜報部員に憧れてKGBの庁舎に行き職員に声をかけて訊ねたら、国の要職だから一流大の法学部を出るべきだと言われたそうだ。日本でいう国立大の法学部を出て官庁に就職ということだ。メドジェーエフ前大統領もペテルブルグ大卒だ。


 モスクワ大を出ているのはゴルバチョフ大統領やサハロフ博士である。

 ここに夜間部があることは、ジリノフスキー党首が卒業生ということによってよく知られるようになった。東京大学には無い。東京都立大(現首都大学東京)にはあって、前に職場に勤労学生がいて、その人は地方から出てきて勤めながら都立大に通っていた。学費がタダ同然であるから、それを知った留学生が入りたがったけれど競争率が激しく高いので諦めた。


 ロシア自民党は極右政党と呼ばれる。

 しかしジリノフスキー党首は中道政党であると言っていた。NATO軍のユーゴスラヴィア攻撃の時、日本ではJリーグで活躍していたストイコビッチ選手が抗議したことで知られる事件だったが、ロシアではエリツィン大統領が激怒していて、ジリノフスキー党首は義勇兵を送ろうと息巻いていた。セルビア戦争の再現のようだった。最近セルビアの首都ベオグラードでウクライナ攻撃を支持する市民が大規模デモ行進したことには、こうした背景もある。


 ジリノフスキー党首は、90年代に日本のテレビに出て「北海道はロシアの領土だ」と主張していた。

 今、ロシアの政界に日本牽制論が出ていて、「北海道ロシア領」の主張をしている。ジリノフスキー党首の主張は、アイヌ民族と最初に交流していたのはロシアであり、後から日本が北海道を侵略して先住民アイヌを迫害したというものだった。

 この論理と、今のウクライナ攻撃は少数民族迫害が起きたためだという論理に、共通するものがある。それでのことだろう。しかしウタリ民族運動の萱野茂氏(二風谷アイヌ資料館)が旧社会党から国会議員になったので、野党とはいえ少数民族が代表を国政の場に出したことがあるから、ロシアの主張に反論が少しはできる。

 その点、中国はもともと少数民族に必ず議席を与える枠を人民代表大会に作っている。チベットは宗教弾圧を言われるが、あそこもウクライナと同様にナチスとの関係が言われている。それも中国の念頭にあって今の外交姿勢なのだろう。そして、中国は少数民族を尊重していると評価されていたが、同時に外国からの介入を防ぐのに役立っているわけだ。なんとも老獪というか狡猾というかでは偏差値が高い。

 
 
 

 「あの男を権力から引きずり降ろせ」「ロシア大統領を変えろ」

 米国のバイデン大統領が、権限も無いのに言った。内政干渉だと指摘されたが、撤回としないと威張っている。プーチン大統領は、あくまでロシア国民から選出された大統領である。

 また、バイデン大統領は、ウクライナ政権との親族の癒着と利害関係について指摘されてもいるのだから、それをまず釈明すべきだろう。


 すると、マクフォール=スタンフォード大教授・米国駐露大使らが言い出した。

プーチンが最も恐れているのは、NATO東方拡大ではなく、ウクライナの民主主義がロシアに波及することであり、これが侵略の原因なのだそうだ。

 ウクライナの民主主義なんて、ウクライナ人でも失笑するだろう。これは前にここで指摘したとおりだ。


 しかし、どうも既視感があると思った人は少なくない。

 あの「アラブの春」と称した欧米による軍事介入の正当化と同じ理屈である。

 もちろん、そう欧米の御用学者およびメディアから言われるだろうとロシア側が予想していることは、あのときのプーチン大統領の一連の言動から明らかで、ロシア側は笑っているだろう。



 米国でも反戦運動団体がNATOの解体をデモなどで主張している。

 他にもイタリアなどで反NATOデモがあるが、マスコミの記事にならない。このことは拙書『朝日新聞…』で批判したとおり。

 ブログの項目参照https://joesuzuki3.wixsite.com/website

 ただ、大手商業マスコミが隠しても、ちゃんと目を開いて観ていれば解ることだ。それなのに市民の声ではなく御用学者によるNATO軍は正義という御用言質に飛びつく人たちがいる。


 この中には、橋下徹が憎くて批判に利用する愚か者がいる。

 当初、橋下徹は、人命最優先だと説いて、NATO側にも妥協を促せと主張したことで叩かれた。そこへ付け込み、NATO軍が散々やってきた侵略を、民主化のための正義だと信じ込む。

 ただ利用するだけにしても反市民的である。こうした大国の軍隊と、それを正当化する御用学者・御用メディアを、市民よりも信用するというのだから。それでいて自分が「リベラル派」だと思っている様子である。どうやら本気で信じ込んでいるような人たちまでいる。それで幸せなのだろう。

 この種の「嗚呼なんて偉い私」という人たちは、愛国者と平和主義者の双方にいるから面倒である。


 
 
 
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