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ウクライナに対するイスラエルと日本

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年3月20日
  • 読了時間: 3分

 前に、この場で映画『ショア』をとりあげた。

 ナチスの被害者だったユダヤ人らに長時間インタビューした映画である。この映画のランズマン監督は、大変なイスラエル贔屓だが非シオニストを自称していた。その姓からしてユダヤ系のスピルバーグ監督の『シンドラーのリスト』を、真面目な映画ではあるが御涙頂戴だと批判していた。また、リベラルなハリウッド映画の関係者もイスラエルがらみではタカ派に同調する傾向を日本の映画評論家(例えば共産党員で赤旗など党機関紙誌によく書いていた山田和夫)が指摘していた。

 という話題だった。



 内容的にはレネ監督の『夜と霧』と同じである。

 しかし『夜と霧』は、すでにある映像の編集をした短編の映画であるのに対し、『ショア』はすべてこの映画のために撮影されていて、10時間近い大長編であった。また『夜と霧』が著名な作曲科によるオリジナルの音楽を映像に被せ流しているのと違い、『ショア』に音楽は一切入っていない。


 『ショア』の中で、よく「ポーランドの強制収容所に送られるさいドイツ兵とウクライナ兵に監視されていた」と語られる。

 こうしたナチス協力の歴史があるため、今もユダヤ人にはウクライナ人への不信感があるのではないだろうか。ミュージカルで有名な『屋根の上のバイオリン弾き』に観られるように、ロシア人も多分に漏れずユダヤ人嫌いが根強くて、ロシア人ではなかったグルジア出身といわれるスターリンもユダヤ嫌いだった。

 だから、ドイツとの戦争で勝ったけれど、ナチスが倒れてユダヤ人を喜ばせた、という皮肉がロシアにあった。ショスタコーヴィチの交響曲には、ユダヤ民謡がユダヤ人でないと気付かない形で引用されていて、これはその皮肉を表しているのではないかという見方があり、もしもユダヤ人以外で気づいた人がいてスターリンに告げ口したらショスタコーヴィチは殺されていただろうとも言われる。


 そして今もイスラエルとロシアは不仲が続いている。

 これには他にも色々な訳があるけれど、とにかくロシアと不仲なのに、イスラエルは今もウクライナに冷淡な態度をとっている。これだから、まだ引きずっているはずだ。

 お互いに言い分はあるが、昔のことでも刺激したら不味い。それなのにウクライナの大統領がアメリカ議会に向けで911事件と一緒に真珠湾攻撃を言うから、あくまで例え話であっても日本の右派が怒りだしたのだ。




 ただし、右寄りじゃない日本人も怒っている。これは駐日ウクライナ大使館が、日本国民に対してウクライナ軍への募金を公然とTwitterに掲載したので。避難民や復興の支援ではなく軍に募金とは、日本の憲法に土足で踏み込んで来られたも同然である。

 これには色々な考え方があるけれど、日本共産党の志位委員長は平和憲法を大事だと言っているが、それならこれをどう考えるのだろうか。ウクライナを無邪気に応援しているが。また「憲法9条があればプーチン大統領のようなことはできない」と言って悪意あるマスコミと安倍元総理から悪口のネタにされていたが、ロシアは安倍内閣が合憲とした集団的自衛権を行使していて、これを防衛官僚も危険で亡国だと批判し、共産党も大反対だったはずだ。取り上げるなら、こちらではないか。集団的自衛権といえば国連憲章に違反しないことになるのだから。

 もちろん、こうした愚かさは志位氏に限ったことではないが。



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