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​炬火 Die Fackel 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年7月12日
  • 読了時間: 2分

 ネコがネズミを怖がるのは漫画にはよくあって、日本ではドラえもんが代表格だけど、外国のアニメ映画が日本で放送されるとそこにも時々出てくる。

 もともとネコを飼うのはネズミを退治するためだったが、それなのにネコがネズミを怖がっていては笑ってしまう。ところが笑ってばかりもいられないのは、弁護士が権力を怖がることだ。弁護士の責務として最も重要なのは権力と闘うことなのだから。



 これは、慎重になっているのとは違う。

 もちろん、刑事に詳しくない弁護士は多く、そのため「責任をもって相談に乗ることができないので、他の弁護士を当って欲しい」と率直に言う弁護士がいる一方で、何でも知っているオールマイティのふりで見栄を張り口から出まかせでいいかげんなことを言う弁護士もいる。

 また、「人権派と言われる人は問題にするだろうか、私は人権派ではないから問題だと思わない」と率直に言う人もいる一方で、自分の人権意識がオソマツであることを誤魔化そうとしてデタラメを言う弁護士もいる。


 そういう、いいかげんとかデタラメとかが酷すぎるので「こんなことも解らないようでは弁護士を廃業するべきだ。即刻、弁護士会に退会届を出せ」の水準にある無知や無見識の弁護士はザラにいる。

 ただ、実際そうであるか否かとは別に、そんな態度を取る弁護士の多くが、実は権力が怖いのだ。特に、警察を敵に回すのは何としてでも避けたい。もしも自動車の運転をしている時に警察の嫌がらせで身に覚えのない交通違反の濡れ衣を着せられたら、電話の盗聴をされて不倫が発覚したら、などなど、実際にそうした弾圧は過去にあったから被害妄想とばかりも言えないけれど、いちいち心配していたら世の中を渡ってはいけないし、まして弁護士なんてやっていられないじゃないか、という情けない実態なのだ。


 これは、金にしか関心がないとか、家庭争議のような仕事ばかりしているとか、そんな弁護士だけのことではなく、表向きは反権力を標榜している人権派とかリベラル派とか左派とかの人であっても、結構、情けない。

 だから、自分は詳しくないと言えば済むところを、警察は悪くないと言い、その法的な根拠について具体的な説明が無い場合は、その弁護士が権力を怖がり逃げているのだ。


 もしも法律相談をするなら、このことを念頭に置いておくことだ。

 
 
 
  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年6月26日
  • 読了時間: 3分

 夫婦別姓の婚姻届けを受理されなかったことに憲法違反であると申立がされていたことについて、最高裁判所は同姓の強制を規定した民法は合憲とした。

 これで2015年の判決が維持された。最高裁判事の中には違憲とする意見もあったが少数派であり、ただ合憲とした意見にも夫婦別姓で不便などの問題があることは事実としたうえ対応する立法措置をするべきと指摘があった。

 ただ、個人の自由をゆえなく制限している問題に、相変わらずシカトの最高裁である。まるで存在意義が無い。



 そもそも姓なんて無くてもいいものだから、どうしても名乗りたい人だけ持っていればいいのだけれど、家族を統制の道具にするため戸籍制度があるので、だから少しでも余計に強制性が求められて、それゆえ個人の自由は認めないという政治的な要請があるわけだし、それに追従する司法というのが現実だろう。


 かつて民主党政権の時、夫婦別姓は国会で議論しようということだったが、自民党から喧嘩して出て政権に協力していた亀井静香議員らが猛反対し、協力を中止すると脅して強硬に妨害した。

 その後、亀井は夫婦別姓になると国民を家に縛り付けて統制することが出来なくなると主張し、それを正当化するため「日本人は全員、天皇の子」と言った。これはとんでもない不敬な発言である。自分を正当化するため天皇を引き合いに出す行為は戦前でも許されないことで、しかし許されないことを勝手にやる者が軍部にいたから無謀な戦争になり、その反省から戦後は尚更いけないこととされている。それが亀井静香には解っていないし、それ以前に勝手な利用とは図々しい。


 しかし、こうした封建主義者やファシストが反発することだけが、夫婦別姓が実現しない事情ではない。

 なぜなら、意外と女性が支持しないからだ、支持が圧倒的多数なら政治も無視はできないが、そうではない。姓が変わることで結婚したと実感して幸福な気分になると本気で言っている女性も皆無ではないだろうが、それより姓が変わることで実家の両親とウザイ親戚どもの干渉から自由になったと解放感を覚えたのが本音だと言う女性の話をよく聞くし、だから男性が希望して変える場合もあるけれど、それだと自分が自由になれないと言って女性が拒否するから、男性が結婚して姓を変えることは婿養子でもなければ圧倒的少数である。


 だいたい、夫婦別姓を希望する人たちは、まず仕事や社会生活に不便だからで、あと「嫁いだ」先に姓も合わせて従属物か所有物のようになってしまう息苦しさを覚える場合があるからだ。

 そういうことでなければ、結婚して姓が変わり親から距離をおいていたほうが楽でいい。で、親が歳とって病気になっても介護しない。家に残してきた兄弟がやるべき。結婚した相手の親は、結婚相手が介護すべきで自分はやりません。という調子で通用することが多いから、こういう人たちにとって夫婦別姓なんて不都合なのだ。だから夫婦別姓は圧倒的多数の支持を受けられないのだ。

 
 
 

更新日:2021年6月23日

 かつて福島瑞穂議員が弁護士として活躍していた当時に受け持った事件と同類の事件について、共産党の議員から紹介された弁護士に法律相談をしたところ、相談の拒絶も同然の対応だったという話を、過日ここで述べた。


 これは、その弁護士にとって詳しくない問題とか、得意ではない案件とか、そういうことではなかった。

 それだったら、それを率直に言えばいい。恥ずかしいことではないから正直に言う弁護士もいる。ただ、見栄を張ってはぐらかす弁護士も少なくないが。

 ところが、その弁護士は、相談を受けたくないという頑なな態度であった。これは、相談は受けても訴訟などの受任はしないという話ではない。受任するか否かは、忙しいとか儲けになりにくいとか、そういう事情によって断っても良いことになっている。人権擁護の観点から褒められたものではないが、弁護士だって商売だから容認されている。それだけではなく、相談そのものに聞く耳持たないどころか見ざる聞かざる言わざる、であった。

 その分野に明るくないだけなら、専門にしている他の弁護士に相談した方が良いと言うはずだが、そうは言わず、あなたが問題にするのは勝手だが、自分は問題だとは全く思わないと繰り返し言った。その法律的・具体的な理由を執拗なほど訊ねても、説明することは一切無かった。


 なぜかと暫く考えたが、これは党派性の問題だった。

 その内容から、関係する個人や団体や新聞・雑誌が、紹介した議員の所属する共産党と、普段から決して仲が良くはないとか、今は何も無いけれど場合によっては対立する可能性があるとか、そういうような事情のために、受任どころか相談すら拒絶の態度だったのだ。

 それも、率直に言ってくれた方が良かった。権力による深刻な人権侵害を相談したのに、権力が人権侵害しても良いという趣旨を共産党の法律相談で弁護士に言われて取り付く島もない対応だったということになれば、その弁護士だけでなく共産党も評判を落とす。そういうことは実際に今までよくあったのだ。


 なのに、そうまでして弁護士が頑なになった原因とは、相談を受けただけでも、その後で対立があった場合は、一旦は敵に与したことになってしまうことがあるからだった。

なぜなら、弁護士法及び弁護士職務倫理規定で、弁護士は、相手方から「協議を受けて」あるいは「賛助」した「事件」については、その職務をおこなってはならないとされているからだ。


 つまり、相談を受けて、その事件に関わる個人や団体が後に共産党と対立した場合、その弁護士は共産党の味方ができなくなってしまう、ということだ。だから、共産党の評判を落とすかもしれなくても、それは一個人のことだから、後々共産党のためには結果として利敵行為になりそうな相談は、とにかく受け付けたくないのだ。



 例えば、あの旬報法律事務所の、あの佐々木亮弁護士は、革マル派系と言われる労働組合から相談料を取って助言をしておきながら、暫く後に同労組と対立する側の代理人になり、弁護士法及び弁護士職務倫理規定に違反していると指摘されて代理人を辞任したが、その後も密かに相談に乗り続けていた証拠が出てきたので、弁護士会に懲戒請求されていた。

 こちらはネトウヨによる人違いではなく、実際にあったことに基づいている。そのうえ内容的に、言葉は悪いがダブルスパイをしていたということではないか、などと厳しく批判を受けていた。


 こうした政治性と党派性が弁護士の業務に存在するので、もちろん佐々木亮弁護士の行為は論外だが、それにしても人権に分け隔ては無いと思って弁護士と向き合ってしまっては駄目なのだ。


 
 
 
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