- 井上靜

- 10月26日
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日本弁護士連合会(以下、日弁連)が国旗毀損罪に反対する理由は、だいたい次のとおりである。
外国の国旗を毀損した場合は罪になることがあるけれど、その外国が怒って日本に文句を言った場合に限る。その場合は外交などでこじれ、日本としても国益を損なうからだ。このように明確な法益がある。これに対して自国の国旗で罪に問うても明確な法益がない。
また、他人の所有物である国旗が掲げられているのを毀損したら器物損壊罪になるから、今でも刑事の事件になる。なので国旗損壊罪は自分の所有物の国旗を毀損しても罪にしようということだから、政府に抗議するデモでも取り締まることができてしまう。こういう場合についてアメリカでは最高裁が「国旗保護法」は表現の自由を侵害するので違憲だと判断している。
そのうえ、特に日本の場合は戦前から同じ国旗であるため、これに反対して変更するべきだと主張する人もいるほどで、そういう国民感情に配慮せず一律に刑罰で抑圧することがあってはならない。

このように、すでに指摘されていることの焼き直しである。
それでも、日弁連が具体的な行動を起こすなら大いに結構なことである。しかし相変わらず表向きの、批判したというアリバイ作りのためだけの、声明である。
もともと日弁連は、声明だけで何もしない。気取っているばかりの「進歩的文化人」と同じである。
それどころか、実は声明の裏では権力の側に付いて市民を迫害しているのだ。
そもそも、今までこのようなファッショ的な権力を批判して命がけで闘っている市民を、弁護士が護っていたら、ここまで酷い事態にはならなかった。個々の弁護士は、権力と闘うと大変だし金儲けにならないというという態度だが、日弁連は声明だけだと楽でいいという安易さである。
そして裏では権勢に媚びる。権力に擦り寄る。市民を迫害する。これが弁護士および各弁護士会と日弁連の実態である。
もちろん、昔から今まで、日本で弁護士に幻想を抱いている人は、そう多くないが。
それでも、騙されないように気をつけないといけない。マスコミ向けにアリバイ作りで声明だけ発する日弁連の空々しさにもかかわらず、それでも気づかない人がまだまだいるのだから。
あと。空々しくて実質の伴わない声明でいちいち反感を持つのは統一協会やネトウヨの方面で、弁護士にもいるが、そういう人は論外である。

