- 井上靜
- 2024年7月22日
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蓮舫への攻撃が差別的だから王貞治のことを思い出した。
王貞治は父親が台湾人で、実家はラーメン屋を営んでいた。少年時代の王貞治が出前の配達をしていたことは子供向けの雑誌にも乗っていた。彼の愛称が「ワンちゃん」なのは、王の発音が中国式だとワンだから。
それで、片親が日本人ではないとか否定的に言う人がいて、テレビでもやっていたから、なんでことを言うのかと子供心に不当だと感じた思い出がある。

それで初の国民栄誉賞を受けた。
そもそも王貞治のために国民栄誉賞は設けられたのが始まりだった。プロ野球選手としての活躍と、努力家ということが子供むけに修身のような語られ方をしていた。
それなのに、外国籍だったから勲章は不味いが、しかし国として何も讃えないとはいかず、国民栄誉賞が創設されたのだと言われたものだ。東京大空襲で民間人を大量虐殺したルメイ司令官には、戦後、航空自衛隊の設立に協力してくれたからと勲章を与えたのに。
蓮舫も同じで父親が台湾人だった。
それで、二重国籍とか当時の法律の問題でしかないのに、まるで本人の不徳の致すところであるかのように騒がれていたのは周知のとおり。
そして差別的で嫌らしいこき下ろし方が横行していた。
まったく、日本は相変わらず、ということなのか。
何十年も経てば、さすがに改善するものだ、というのが甘い見通しだったのかもしれない。