「社会主義はお薦めできません」
中国の鄧小平は、モザンビークで左派の政権ができて、社会主義によって国づくりしたいと言われたさいぴしゃりと言ったそうだ。
これは、もともと政治大国といわれる中国でも傑出した政治力を持つ毛沢東・周恩来でさえも思い通りにいかなかったのに、アフリカの小国が安易に言ってふざけんなとの意味も、もちろんあっただろう。
しかしそれより、そう媚びてから続けて援助してくれと言い出すに決まっているので、予め拒絶しておいたはずだ。
ギニアのサンコンの例がある。
日本でタレント活動して日本人女性と結婚もしているギニアの外交官オスマン-サンコンは、かつてギニアがフランスの植民地支配から独立したさいソビエトの援助を受けたが不十分だったと不満を言い社会主義は駄目だとお門違いの非難をしていた。
ただで助けてもらっておいて、少ないと文句を言い、関係のないことまで言い出す。そうすれば対立するアメリカなどに媚びたことになって、おこぼれ得られると計算したのだろう。
ギニアの態度は一方的にクレクレ言う者の常である。
そういうのを相手にしてはいけない。だからモザンビークも同じく政治の遅れたアフリカなので要注意ということだったろう。
これが朝鮮だったら、中国もソビエトもかつて援助して、そうしてやったにしては面白くないことが色々とあって態度には大いに不満だが、それでも取引駆け引きであるから、いくら面白くなくても相手にだって都合があるわけだから仕方ないということであった。それだけの政治力が、小国だけど、一応ある相手ということだ。
これは政治や外交だけでなく個人の関係でも同じだ。
よく、親切にしてやって相手に恩を仇で返すようにされた人の話がある。とくに金で困っている人を助けた場合に、返さないくらいならまだマシで、ひどい悪口を言い触らされるものだ。
ところが、義理は無いけれど親切にしたのではなく、同じことが兄弟姉妹でもあったりするから、よく言われるような金と友情は別ということよりも、兄弟姉妹の方がえげつないことになる。
これについて、前に勤めていた会社の社長が言っていた。「血は水より濃いけれど、水と違って生臭い」と。