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銀行に両替の手数料を取られて困る店

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年2月15日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年6月23日

 関西の新聞が報道したところによると、銀行が両替について1円玉500枚に対し400円の手数料を取ることにしたら、地元の商店主たちは「高すぎる」と困って言っているそうだ。釣銭を確保するのに、この額では商売が成り立たなくなるらしい。

 この背景には、消費税で一円玉が多く要るようになったことや、電子マネーが日本では普及が遅れていて特に古い個人商店では対応できていないこと、などがある。


 ただ、自分で普段から釣用の小銭を確保していたら結構な手間がかかり、これを代行してもらうのに手数料は当然のことだし、それを考えたら、むしろ安すぎるくらいではないか。

 もともと銀行は手間ばかりで利益が無い小口預金など、業界用語で「リテール」と称してはいるが、隠語では「ドブ」と言って忌み嫌っているくらいだから、時代遅れの商店など相手にしたくもないのだろう。



 かつて飲食店を営んでいた当時、お釣の確保は大変だった。

 多くの会社などが給料日の後は、客が少額の支払いに次々と一万円札を出すから、忙しい時など悲鳴をあげたくなった。法的にも「強制通用力」と言って取引をするさい現金は拒否できない。手形や小切手は個人や民間の信用だが、現金は国の威信がかかっているからだ。

 しかも、横柄な人から支払いとは別に両替しろと言われ、困るのだが相手はお客様だから応じていた。


 ところが客ではなく、タクシー運転手が来て「客に万券を出されてしまったから両替して」と言われたことがある。大忙しの時に客ではない人に来られるだけでも迷惑なのに、苦労して確保している釣りを客でもない人に渡せない。

 それで断ると、運転手のオッサンは罵声を浴びせたうえ隣の店に行き、そこでも断られていた。当たり前だ。いったい、この運転手は釣りをどうしているのか。店に比べると両替の機会は多いはずだが。


 そういう経験があるので、銀行の殿様商売に対する個人商店主の悲鳴という記事に、正直あまり同情する気になれなかった。

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