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角川源義と角川春樹と角川歴彦

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年9月16日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年9月16日

 角川歴彦会長が贈賄の疑いで逮捕され追及を受けている。

 この人は、角川書店の創業者である角川源義の息子で、兄の角川春樹元社長とは実の兄弟で顔もソックリだが仲が悪かった。

 それで角川春樹は不仲な弟を追放したが、そのあと不祥事があって角川書店を退き、もともと映画製作を手がけるための角川春樹事務所で出版事業も併せて運営するようになった。

勿怪の幸いとでもいうべきか、追放されていた弟が角川書店に復帰していたわけだ。そうしたら弟が逮捕ということで、兄は今頃ザマミロと思っているかもしれない。


 角川春樹社長は、違法薬物を密輸させて問題になった。

 これは宗教儀式をするためであった。メディシンは薬の意味だが祈祷の意味もあり、南米では祈禱のほうが第一義である。宗教で麻薬というのは南米とかアフリカ大陸とか南の島々に盛んである。それだけ材料になる植物などが豊富だからだろう。

 それで、外国から持ち込もうと使いの者に指示した角川春樹社長だったが、これは違法ではあるけれど自分で使用するためで、つまり暴力団の資金源ではなく自傷行為であるから、その点では弟の賄賂のほうが社会的見地からすると罪が深いと言えそうだ。


 「本は売れる物ではなく、売る物です」

 そう豪語して角川春樹社長は強引な販売戦略を展開していた。この子分だった人が幻冬舎の見城社長であり、見事に手法を受け継いでいる。

 もともと、角川のやってきた映画と原作本を一緒に売るやり方は、ハリウッドで『ジョーズ』が映画のポスターと原作本の表紙を同じにするやり方から着想していた。

 そんな兄と違う弟ではなかったわけだ。派手なことをするために手段を選ばなかった。


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 父親の呪縛から逃れたかったのか。

 角川書店の角川源義という人は、岩波書店の岩波茂雄みたいな人で、杉並区にある記念館を尋ねると、いかにも文豪・文化人という感じだ。そんな父を超えたいと春樹氏は考えていたから派手なことをしたがったのか、と言われたものだったが、どうやら歴彦氏も同じであったらしい。

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