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  • 執筆者の写真井上靜

森村誠一さん死去で想う

更新日:2023年7月29日

 森村誠一さんが亡くなった。

 90歳だったそうだから、その同級生は何人が存命だろうか。同級生の父さんが青山学院大学で森村さんと同窓だったそうで、森村さんは駆け出しのころOB会で「本を買ってくれ」と言ってたのに今じゃベストセラー作家、角川の売り方が上手かったんだと言う父さんには多分に嫉妬があるだろう。

 けれど、あの当時、映画化の『犬神家の一族』『人間の証明』『白昼の死角』があって、その作者たちが鉄格子の中に立ち「横溝正史ギルティ、森村誠一ギルティ、高木彬光ギルティ、なにゆえ世間を騒がせるのか」とナレーションに続いて暗転しサイレンが鳴り響き脱獄だーというCМは、実に刺激的でよく出来ていたのか確か。



 また、角川文庫が本格推理・探偵小説を大挙発売するまでは、カッパノベルズの社会派本格推理小説がミステリーの主であり、そこに数々の森村作品があった。

 それなのに残念だが、と森村誠一さんは後に光文社と絶縁。右翼の嫌がらせに負けて『悪魔の飽食』を勝手に絶版したからだった。それで他の出版社を当たったけど、火中の栗を拾うようなもので断られてばかり。

 それを角川春樹さんは右寄りなのに「本が政治的に葬られるのを見過ごしては出版人の矜持に関わる」と引き受けた。そんな立派なところも角川さんにはあったのだ。


 ところで、改めて確認したら森村さんの公式ホームページからリンクが消えていた。

 今では別のリンク先が貼られて紹介されていたが、前はタレントを紹介していて、それが「Dカップ」を売りにしているという女性だった。何かの縁で紹介していたらしいが、けっこう前のことで、もう彼女はネットで見当たらなくなった。森村さんに紹介してもらっていると言い、そこでタレントの人気投票にネット上の登場を呼びかけていたので投票したことがある。

 どんな縁だったのか解らず仕舞だったけれど、ただ出版関係で時々あることではある。


 英(はなぶさ)ゆり、という名だった。テレビよりラジオに出ていたと記憶している。ネットでは森村誠一先生に応援してもらっていると言っていた。

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