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柳田理科雄という人の迷解釈

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年4月30日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年5月1日

 かつて『空想科学読本』という本が話題になった。

 これは、SF映画に登場する物事について科学に詳しいと自認する柳田理科雄(本名らしい)という人が解説するのだが、間違いだらけであるという指摘もたくさん出ていた。

 ちょっと読んでみたら、たしかに酷い内容だった。


 そのうち印象的だったためか記憶に残っているのが古典的人気SFテレビドラマ『ウルトラセブン』の武器「アイスラッガー」についての滅茶苦茶な解説だった。

 これは周知のとおり刃物の一種で、手に持って斧のように使う場合と、飛び道具にする場合と、二種類の使用方法が主である。

 このうち飛び道具とする場合をブーメランのように投げていることにしてしまい、それであの威力ということはアイスラッガーとは大変な質量であるという数値と計算式を書いて「私は数学や物理が得意だ」と自慢をしながら、そんな重たいものを常に頭に乗せているのだから、ウルトラセブンは首と背骨が余程丈夫なのだろうと皮肉っぽく説いていた。


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 しかし、設定では「ウルトラ念力」だそうだけど、とにかく映像を見ただけでも、ウルトラセブンはアイスラッガーを投げておらず、飛ぶ向きや動きを意思の力で自在に操っている。

 また、飛ぶと発光しているということはエネルギーを帯びていて電熱メスのような威力があるはずで、だから手に持つより飛んでいる方が常に威力は大きい。

 しかも、その力には強弱がつけられ、怪獣の巨体を切り刻むこともあれば、人質を離させようとしたり殺したくない相手だったりの場合は斬るのではなくぶつけている。


 つまり、観ていれば明らかに全然違うのに、もっともらしく解説して、そこから誤った結論を導き出している、ということなのだ。

 これを思い出したのは、この柳田理科雄という人が、あるサイトで、また昔のドラマの内容について述べていたからだ。相変わらず、普通に観ていれば解る筋とか主題とかを理解できていなかった。

 まあ、あまり深刻な問題ではないから、それでもいいのかもしれないけれど。


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