昭和の発想なら死ぬのは根性がないから
- 井上靜

- 2023年10月19日
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今年の9月に千葉県市原市で起きた事件である。
部活動中に中学生が死亡した。この月の12日、その生徒は陸上部で中距離走の練習中に嘔吐して倒れ意識不明となり、病院に搬送されたが27日に死亡した。その死因は「心臓にかかわる病気」とのことだった。
このさい学校の対応が適切だったかを教育委員会が調査することにしたと報じられていた。

これは昭和の時代なら「生徒に根性が無いから」だった。
実際、学校の体育や部活で無理を強いられて死んだ子供がいると、医学を無視して「根性が無いから」と言い、親が賠償請求訴訟を起こすと匿名の手紙や電話による非難が殺到し、時には地元議員までが「出来損ないの子供を始末してもらったのだから有難く思うべきだ」と公然と言い放ったものだ。
それが昭和という時代だった。
これに関して竹中労がテレビで言っていた。
もちろん『タレント帝国』の著者で、最近また注視のジャニーズ事務所の体質も含めた芸能界の実態を早くから暴露した人である。
それによると、例えば生理で苦しいと言う女の子に長距離走を強いるなどが学校で横行してきたが、これは日本の社会がサディスティックになっているからだ。
かつて井上ひさしが小学校の当時の話をしていた。
あのとき日本が軍国主義の真只中で、それで栄養状態が悪いから霜焼になるのに、学校の教師が「立派な兵隊さんになるため」だと言って足の包帯をはずさせ雪の積もった校庭を走らせた。雪が血で染まった光景が忘れられない。
そういう話をしたら、井上ひさし宅に嫌がらせがあり、庭へ薬品の入った瓶が投げ込まれ植木が枯れた。
こういうことを「昭和の日」に想うが、良い時代だったと懐かしむ人たちもいる。
そんな人たちが、昭和は偉大な時代だと記念日にした。実際、そんな人たちは言動が暴力的というよりサディスティックである。



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