映画監督の連続訃報
- 井上靜

- 2022年12月6日
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映画監督の訃報が相次いで報じられた。
かつて機会あって周防正行監督に、なぜ日本映画監督協会に入っていないのかと訊いたら「崔洋一が嫌いだから」とキッパリ言った。
その前に大島渚が理事長をしていた当時など、もっとキッパリ言う監督がいた。こういうのは珍しいことではない。ただ大島渚は徒党を組むからでもある。これよくは知られた話である。

かつて崔洋一監督の映画で大杉漣の演技が評判だった。
のちに大杉漣は『シンゴジラ』で首相を演じていた。この映画について、怪獣映画なのに政治映画にして何が面白いのかと言う人もいた。けれど、これは大森一樹監督の「平成ゴジラ」の反動だと言われている。
かつて84年に、久しぶりにシリアスに描こうと『ゴジラ』(のちに『ゴジラ84年版』と呼ばれる)が作られたが、そのあと大森一樹監督になって超能力とか時間旅行とかSFの中でも大時代的なネタを取り入れたので、これに退いてしまった観客も少なくなかった。
そこで、政府の対応を中心にして、なるべく現実的に描くようにしたのだろう。
そんなことを思った、映画監督の連続訃報であった。



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