日本共産党とカプセル怪獣ミクラス
- 井上靜

- 2月23日
- 読了時間: 3分
「ミクラス」で思い出す同級生がいた。
それは仇名だった。テレビドラマの怪獣の名前で、顔が似ているからだった。そいつとのことは学校で勘違いされていた。我々は仲良しだと思われていたが、それは表向きで、実は互いに憎んでいた。
それが表に出たのは中学一年生の最後のころだった。担任の教師が酷いことを言ったら、そのミクラスが便乗して侮辱したのだ。

その担任教師は、こちらに言い返せずに困ったことが複数回あった。
こちらの言うことが単純であるけど正しい「ド正論」だったので。それが二度くらいあった程度のことだったのに、その担任教師は「おまえは何でも口で解決しちゃう」と言った。その回数が少ないうえ、そもそも教師が悪いだけのこと。だから事実ではない。
それを組全員の前で担任教師は言ったが、ミクラス一人を除いて全員が黙っていた。他人のことに口を出すべきではないと思った人。違うと思っても教師に逆らうと不味いと思った人。後からコッソリ「先生のほうが間違っている」と言って励ましに来た人。それがミクラスを除く全員であった。
「口は達者だからな」と言ってミクラスは侮辱した。
教師を言い負かしたのを見た人に「口が達者だ」と評されたならともかく、「口が」ではなく「口は」と強調して言ったのだ。その限定の助詞「は」となるニュアンスを強調した口調だった。つまり口先だけの奴だというのだ。
では、学校の成績はどちらが良かったか。勉強だけでなくスポーツはどうだったか。美術や音楽といった芸術方面の教養はどうだったか。スポーツは体格の差があったし、女の子にモテることは身長と顔の差があったけれど、これは努力とは違う。顔でミクラスに勝ったと言ってもしょうがない。しかし他は努力の結果である。
ミクラスとは、小学六年生の時に同じ組だった。
この時、組で何か問題が発生したとき、こちらは才覚と行動で解決したことが度々あった。例えば、いつも問題ばかり起こしている男子が下級生に対して問題を起こしたとき、担任教師が困っていたのを解決したので、こちらを嫌っていた担任教師でさえ「ありがとう」と言ってクラス全体と保護者に対して事実を率直に知らせたことがあり、それ以来その問題児はこちらはを呼び捨てにするのをやめて君付けで呼ぶようになった。他にも、学級委員が差別発言による不祥事を起こした時、そこで見識を発揮した行動を評価されたし、さらには人命救助の類まであった。
これがミクラスには一切なかった。それで嫉妬していたらしい。だから、お門違いの「口で解決」という不当な誹謗に便乗して「口は達者」と言ったのだ。
だから、表向きと違って憎しみ合っていた。
小学六年から中学一年まで同じ組で、そこで仲良くしていたように見ていた人たちがいたけど、それは錯覚だった。
あと、ミクラスの親はやや富裕で、うちはやや貧困であった。それで、こちらは社会の不平等に対して厳しい目で見ていたし、そこから差別をする担任教師や学級委員に辛辣なことを言ったことがあったのだ。するとミクラスは、今度はこう言った。「共産主義者」と。
このミクラスは近所にある学習塾に通っていて、そこの経営者は日本共産党員だった。作詞家ではなく詩人で、それだけでは食えないから塾を営んでいた。そこへ平気で通っていた一方、こちらに対し悪口で言ったのだ。政治的というより貧困家庭を見下したのだろう。
この思い出が、今回の奇妙な題名の趣旨である。

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