日本でアニメが盛んなのは社会が絶望的だから
- 井上靜

- 2024年6月20日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年7月7日
ニコラスニキという外人が指摘した。
この人は、日本におけるサラリーマンの過労という問題について述べていたさい「日本のアニメは何故ガキやティーンばかり描くのだろうと思っていたけれど、理由はこれだろ。日本では高校出たら世界はこの世の地獄になる。だから彼らが垣間見た最後の夢はガキのころなんだよ」
このようにガイジンから見抜かれていると話題になっていた。

ただ、この指摘は日本でもアニメ関係者からあった。
それが他でもない『宇宙戦艦ヤマト』の西崎義展プロデューサーである。そして『宇宙戦艦ヤマト』に描かれるガキまたはティーンのナショナリズム・ミリタリズムがウケたのだ。
また『宇宙戦艦ヤマト』動画担当の勝間田具治も「せめて夏休みの二時間だけでも」と言っていた。
これは拙書『宇宙戦艦ヤマト…』でも言及した。ホームページ参照 https://joesuzuki3.wixsite.com/website
だが、その社会学的には常識であることを知らず、高校を出る前くらいの時期は楽しかったという程度の自覚しかない人たちもいる。前にネット上で、拙書を読んだ(女性らしい)人が、あの時代をそんなふうに言うことには共感できない、と述べていたが、これはエンターテインメントによって気を紛らわせていたに過ぎないのに良い時代だったと思っているのだろう。
これを証明してくれたのは自民党である。
これだから、18歳で選挙に投票できるようにしたのだ。まだ「この世の地獄」を知らないうちなら投票結果が政権与党にとって有利となるから。実際に、親の庇護を受けていて未だ社会に出て身を以て現実を知ることがない年齢の人たちは、今の政治・経済が良いと思い込んでいて現政権を支持する割合が高い。
とにかく、アニメを作っている当時者も言っているし、日本を客観的に見ている外人も指摘している、ということである。



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