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新型肺炎に無策な社会的背景

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2020年11月18日
  • 読了時間: 2分

 もう随分と前のことになるが、友達と一緒に行ったことがある店で働いている女性から電話があり、ハロウィンパーティーをするから来てほしいと言われたが、生憎インフルエンザのため外出など無理な状態だった。

 これに彼女は焦った様子で、チケットのノルマを課されていて、売り切れないとペナルティなってしまうと言う。しかし、とても行ける状態ではなかったし、無理して行っても感染させてしまう危険がある。彼女は全く休みなしで出店していて、風邪くらいでは休ませてもらえない。それでも来て、と言う。これだから、逆に客が従業員から感染させられてしまうこともあるだろう。


 こういうことがあったから、志村けん死去の報で、彼は客が来なくて困っていると懇願されて応えたのが仇になったのではないか、と言われているのも当然だと思った。

 それで、新型肺炎ウイルス感染拡大の防止に公的な経済支援が必要なのだと指摘されているけれど同時に、このような仕事に従事している人たち、せざるを得ない人たち、などへ特に配慮すべきだとも言われている。

 ところが、政府は冷淡である。政治資金で飲みに行くような連中に解るわけないことはもちろんだが、けっこう女性が女性に冷たいものだ。

 これは専門書の出版社に勤務している女性だったが、彼女は一流大学を出て堅実な職場に就職したのだから「勝ち組」だと言っていて、飲食店で働くような「負け組」など知らんということだった。そして、彼女は普通に生理休暇を取っているけれど、同僚で労働組合活動に熱心な男性をモノ好きと小バカにしていた。自分が生理休暇を取れるのは何故か解っていないのだ。


 前に吉本興業のお笑い芸人が、女性の芸人には生理休暇を認めるべきだと会社側に申し入れたら「そんなに休みたければ、ずっと休みいや」と言われたそうだけど、これは水商売も同じで、キツイから休ませてとホステスが言うと「ずっと生理休暇あげるわ。もう来なくていいよ」とママに言われるのがオチである。

 そうでない職場で働いているのは自分が努力したからだと言う女性は、そうでない女性を見下していて、職場の環境を良くするために努力している人も嘲笑し、他人の努力の成果の上澄みをさらっているのだが、それを自分は要領が良いと自覚しているなら処世術が上手とか狡賢いとかいうことになるが、そんなことすら考えていないものだ。


 このようなことが、もともと日本社会の下地として存在しているから、政府の対策が無茶苦茶でも、ある意味では当たり前のことなのだ。

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