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弁護士が触れたがらない日本の司法の実態

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年5月2日
  • 読了時間: 2分

 ある弁護士が、弁護士による犯罪の頻発について語っていた。

 それは某サイトでのことだった。弁護士になると、若い人でも経験が乏しくても「先生」と呼ばれ、住民票の照会などプライバシー侵害になることを調査する特権が与えられるけれど、それでいて、充分な収入がある人ばかりかというと商売はなかなか厳しく、たくさん勉強して資格を取得しても貧乏である人も珍しくない。

 そんな中で、犯罪に手を染める人が出るというわけだ。



 これは昔から言われてきたことだ。

 ただし、これではアメリカで「アンビュランス-チェイサー」(救急車を追いかける者)と言われるように、売れない弁護士が商売のネタを求めて紛争のある場所に出没するというのと同じ原因になってしまう。しかし、これと日本の司法の実態とでは事情が異なる。


 ハリウッド映画の法廷ドラマで「アンビュランス-チェイサー」を戸田奈津子が字幕スーパーで「三百代言」にしていたので失笑させられた。

 その映画でも、仕事が無くてなりふり構わず揉め事を探し回る弁護士のことを言っていた。しかし「三百代言」とは封建時代に「お上」に対し三百語だけ申し開きが許されていたので、それを上手に言うため代わりに言う仕事があり、そこから転じて言い訳とか弁解とかを商売にしているという弁護士を貶める言葉になった。

 それなのに、戸田奈津子の毎度いい加減である。文字数が限られているのを上手に意訳することが映画の字幕スーパーの仕事だという彼女は、だからと意味が全然違ってはいけないということを解っていない。これだから「誤訳の女王」と呼ばれる。


 また、日本の場合ただ売れない弁護士が悪事に手を出すのとは違う。

 なぜなら、日本の司法は不公正であり、社会的地位による依怙贔屓が横行していて「法の下の平等」が無いし「司法権の独立」も「裁判官の独立性」も有名無実だから、そんな中で商売が上手の人と下手な人というのは当然に公正な競争・競合の結果ではない。日本の弁護士は実力主義になっていないのだ。

 だから、売れない人で金に困っている弁護士は、悪事に手を出すのである。どうせ、儲かっている弁護士なんてえげつないことしているのだから自分だって、というわけだ。

 そこに触れずに弁護士の犯罪を説くのでは、戸田奈津子の誤訳と同じである。

 もっとも、弁護士の立場からすると、それは口が裂けても言えないことなのだろう。


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