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弁護士が気にする不可解なこと

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 3月28日
  • 読了時間: 2分

 医療裁判をしていた当時のこと。

 医学の文献を大学医学部の図書館で調べ、複写するには訴訟のため弁護士か法律事務所の人なら可というので法律事務所名を申請書に記入した。

 その資料は訴訟で役に立ったのだが、申請書に法律事務所名を記入したことに弁護士は困った顔をした。大した影響ではないが、あまり名を出して欲しく無かったそうだ。

 



 同じころ、付き合いがあった出版社が松本零士にインタビューしたがっていた。

 しかし頼む手紙を出したけれど、やはり紹介が無いと駄目なようだった。その出版社の編集者は、この当時、松本零士が連載している雑誌を発行する出版社に知り合いがいるので、紹介を頼んでみたものの、他社の利益になることをするわけにはいかないということで断られた。

 それで、松本零士氏と最も仲良しの漫画家ちばてつや氏に紹介してもらえないかという話になった。


 先の弁護士は、ちばてつや氏と知り合いだった。

 著作権の問題で相談を受けていたからだった。そこで弁護士から紹介してもらえないかと頼んでみたが、弁護士として職業倫理にかかわるから駄目ということだった。

 これは解かり易いが、図書館の申請書に法律事務所名で難色というのは不明確である。


 どうも弁護士が訳の解らないことを気にすることは他にもある。

 そのさい説明をちゃんとしないとか、しても奇妙とか不可解とかの方が多いくらいだ。これだから、伊藤詩織氏の記録映画に弁護士が難癖をつけ、その訳に世間一般から疑問がたくさん出ているのだろう。

 これは、ちゃんとした訳があるけれど弁護士が説明下手である場合と、ちゃんとした訳などないのに弁護士が漠然と心配している場合とがある。

 それではいけない、という弁護士も、もちろんいる。

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