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  • 執筆者の写真井上靜

宮沢賢治のファシズムと影響

 先日、宮沢賢治の命日だった。

 この宮沢賢治は、子どもの頃に伝記を読んで、そのストイックな生き方に感動したが、その後に作品を読んで一見感動的だが実はファシズムにつながる危険を感じた。実際に宮沢賢治はその種のファッショ的で国粋主義的な政治運動団体にも関わっていた。


 また、反原発で知られる高木任三郎が宮沢賢治に関する著書を出していたが、ここで何かにつけて「科学者としての宮沢賢治」ということに、たいへんな違和感を覚えたものだ。

 もともと高木任三郎という人は、ただ反原発にこだわっただけで、多くの無見識と不道徳が指摘されているから、決して美化してはならないと言われたものだ。けれど、それより宮沢賢治は本当に自然科学でも社会科学でも学者と言える働きと思考をしていたのか疑問であり、そこの部分で高木任三郎の言説には説得力が無かった。



 もともと、宮沢賢治は女性に差別的とか、彼が説いた理想郷イーハトーブが満州国に影響したとか、色々な問題が指摘されていた。

 しかし、中でも『雨ニモ負ケズ』は、克己と忍耐にかこつけて奴隷根性を養成する内容で、これほど日本に悪影響を及ぼしたものは無いだろう。この宮沢賢治が説く生き方であれば、コロナウイルスにも消費税にも負けず粗末な食べ物で我慢して質素な生活しながら怒らずヘラヘラ笑っているということになって、政府自民党が大喜びである。

 

 いつも学校で宮沢賢治は成績優秀だった。

 ところが、一度、学校の管理体制を批判したため、修身で不可とされた。そうなると他の全教科が優秀でも駄目ということが当時の学校だった。これが宮沢賢治の原点となったかと思ったら大間違いだった。結局、この人は何も解っていないということだ。それが宮沢賢治の著作を総て読んだ結論である。

 もう日本人は、宮沢賢治を全否定しなければならないところまで来ている。

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