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  • 執筆者の写真井上靜

團伊玖磨の生誕1001年

 FM放送で、團伊玖磨の生誕百年という番組をやっていた。

 もともと團伊玖磨の作った曲は好きではなかった。木下順二の『夕鶴』をオペラ化したものが代表作といわれるが、他にも交響曲とか映画音楽とか、ラジオ体操第二とか、何を聴いても感動しなかった。また童謡の代表作は『クレヨンしんちゃん』のネタとして認知しているだけである。

 ということで、改めて放送で聴いても感想は同じ。これは趣味の問題である。



 音楽に関心が持てないので、あとは食道楽とニコチン依存症の人という印象だけ。

 團伊玖磨の食道楽については、『美味しんぼ』の最初の話に食通の作曲家が登場して、これは明らかに團伊玖磨がモデルである。やはり嫌味な食通として知られる演芸評論家の山本益弘をモデルにした人と一緒にグルメを語っているのだから、明らかに皮肉である。

 よく『美味しんぼ』には、喫煙で嗅覚が麻痺して味が解らなくなるという挿話があるけれど、食通なのに煙草を吸っているなんてのはガイドブックに頼り自分の味覚で判断できないということで、作者による自称グルメへの批判である。


 團伊玖磨はエッセイ『パイプのけむり』も知られている。

 本人は愛煙家でもあると自称しているのだろうが、これもグルメと同じで、本当の愛煙家はマナーの悪い人に苦言を呈して、健康や火災などの被害に厳しいものであるが、それを團伊玖磨は「ファシズム」と誹謗していた。

 おそらく「禁煙ファシズム」という非常識な言葉を最初に公言したのは團伊玖磨ではないか。


 ということで、何一つ良いことが無い團伊玖磨であった。

 


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