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学校の教科に美術と音楽は無用か

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2024年8月10日
  • 読了時間: 3分

 学校の教科に美術と音楽は無用という人がいる。

 それを言っていたら、他の科目でも同じだろうが、美術と音楽は趣味の要素が比較的多いから、言う人がいるのだろう。また、興味が無い人にとっては退屈または苦痛だし、専門的にやりたい人にとっては物足りないどころではすまない。

 だから、やりたい人は他所でやれば良いという発想も出るのだろう。



 小学校と中学校の音楽の授業で教師に怒鳴られたことがあった。

 どちらも授業に余所見をしたからで、つい窓の外に視線が行った。小学校の時は走っていて転んだ人が見えたからで、中学校の時は航空自衛隊機が飛んでいたからだった。それに目もくれず授業に集中しろと言われたけれど、つまらないのだから仕方無かった。

 これは笑える話である。


 あと、今でも思い出すと頭に来るのは、小学三年生の時だ。

 教科書に載っている歌について「知っている人」と教師の女性が言うので手を上げたら自分一人だけたった。そんなはずない有名な歌なのに。すると教師が「なら唄いなさい」と命ずるから「聞いたことがあるだけで歌えるほどではありません」と言ったのに「唄えと言ったら唄え」と凄まじい形相で言い、うろ覚えだし、恥ずかしいけど、なんとか唄ったら、女教師は「よく知ってますね」とも「よろしい」とも言わず憮然としていた。

 あれはなんだったのか。他の人から指摘されたけれど、知っていたのは音大の付属幼稚園で習っていたからで、それが教師としては面白くなかったのだろうということだ。この人は小学校教師だから全教科を教えていただけだったので。


 高校では音楽の教師に呼び出された。

 よくある姓なので同じ組に同姓の男子がいて、そいつから「お前と間違えられて呼び出された」と文句を言われ「呼び出されたのはアンタだから」と。

 それで音楽教師のところに行って「何の用ですか」と言ったら、彼が顧問の音楽部に入れと言う。興味が無いし、なんで自分を勧誘するのかと質問したら、彼が担当している生徒の中で断トツ音楽の成績が良いからだと言う。それは普通科だからで、その程度では音楽大学の付属高校だったら話にならない水準だ。

 それでも、この武蔵野音大卒の男性教師にとっては、それなりに感じたのだろう。童謡メダカの学校の替え歌で「♪武蔵野音大は山の中~」にしても、この教師はバイオリン科だったにしてもピアノが下手糞と生徒から言われていたし、音楽史の授業で当時としてはセンセーショナルだったストラビンスキーのバレエ音楽『春の祭典』をレコードで聴いている時に「『スターウォーズ』の音楽みたいだね」と言うから「それをいうなら『ジョーズ』でしょう。同じ作曲家だけど」と指摘したこともあった。


 美術でも色々あったが挙げていたらきりがない。

 とにかく、こういうことがあるから、音楽と美術は学校の教科としては如何かと言い出す人もいるのだろう。

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