コミケが出版に不動産の業界用語を持ち込んだ
- 井上靜

- 2023年7月20日
- 読了時間: 2分
商品が売り切れたら、その後は何というか。
よくいうのは「販売終了」だが、「生産終了」という場合もある。ただ「在庫なし」で、販売を再開する予定が無いだけのこともあれば、もう止めるという場合もある。
ところで「完売」という言い方もある。
これは元々不動産業界用語であった。分譲地や分譲マンションが総て売れたということだ。今日の分は売り切れて儲かっただけでなくロスが無いからと、完全に販売すなわち「完売」ということもあるが、不動産は少々事情が違い、売り切れとは商品が無くなることである。土地はもちろん建物だって売り切れたから増築工事とはやらない。
だから増産できる商品は在庫無し或いは販売終了か生産終了である。

ところが、本は増刷するのに「完売」と言うことがある。
これはおそらくコミケの影響だろう。マンガの同人誌即売会を開催の時だけ売る前提だから、日持ちしない食品を作った分は売り切った、というのと同じように。そして、新聞・雑誌は日・週・月が替わると売れ残りは商品としての価値がなくなる。それで余って返品がないと「完売」という。ただし紙は再生できるから、売れ残りが無いように気を使うのはコストの点からだけで、ここが食品とは違う。
しかしコミケは小規模に日を限って売る。だから全部捌ければ「完売」である。
この影響があったであろうことは、時期の一致から推測できる。



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