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  • 執筆者の写真井上靜

がんばれタブチ小手指

 『ボヘミアンラプソディー』を観て感心したことは、よく似た人を探したこと。

 主人公のフレディマーキュリーをはじめクイーンのメンバーたちの他にデビッドボウイやボブゲルドフがまるで当人のように見えた。

 この劇中で英語の歌詞が変な日本語に聴こえてしまう「空耳」の有名な「♪エブリバディワシゃコケた~」とか「♪キラークイーンがんばれタブチ」とか出てきたけれど、ここからプロ野球のことで思い出したことがある。

      

 『がんばれタブチくん』という漫画があった。

 だから、そんなふうに歌詞が聴こえるのだろう。本当は「ガンパウダーゼラチン」(弾薬・爆薬)だが、漫画がアニメ化もして有名だから歌の語呂から連想してしまうわけだ。あの当時、ちょうど西武ライオンズに移籍した田淵幸一選手のことを笑い話のモデルにしていた。

 ここで、西武ライオンズ球場に近い西武池袋線の小手指駅が出て来る。実際の駅周辺とはまるで違う景色であったが、田淵選手は実際に小手指駅近くの西武が建てたマンションに住んでいた。通勤が便利ということだったのだろう。


 また、あのころ田淵選手は離婚と再婚をしていた。

 笑い者にされたから漫画を怒っているかと思われたが、田淵選手は読んだら面白かったと大らかに言っていた。ただ、私生活を知らないと描けないことがあって、誰が作者に教えたのかと思い疑わしい人を問い詰めたりしたが、実は離婚した元妻だったそうだ。あまり円満離婚ではなかったらしいと当時は言われていたから、これに納得した人もいる。

 そして女優のジャネット八田と再婚した。これも有名な話だ。



 小手指の、近所では老舗の米屋に注文の電話が定期的に来たそうだ。

 そのさい、いつもの配達をまたと言って部屋番号を告げるのだが、そのさい新入りのパートのオバサンが名前を訊いたうえ、いつものことだから部屋番号で判ると言われたのにしつこく訊いたので、電話を切られてしまった。

 その意味が解らないオバサンは、後で店主に悪げもなく言ったところ、店主が驚いて失礼を詫びに言ったそうだ。これを同じ店で働く知り合いに聞いて、なんて気が利かないオバサンかと呆れたが、その話をした人は「芸能人だから」と言う。たしかに芸能人だからプライバシーを特に気にするだろうが、そうでなくても、いちおう相手がそれで解ると言っているのに訊くは気が利かない。通販ならともかく店と近所の得意先のことではないか。


 そんなことを観た映画から間接的に思い出した。

 だが、気が利かないのはオバサンだけでなく、他にも定年退職したジーサンなど電話の対応が酷いものだ。例えば、かつて飲み屋で働いていた時、店で深夜に客のためタクシーを電話で呼ぶ場合に、店名か店長の名義にしておいてと言っているのに、電話番の定年退職ジジイがどうしても客の名前を言えと食い下がる。頭にきて切って他のタクシー会社に電話かけたことがあるけれど、なんで主婦オバサンや定年ジーサンは駄目なのだろうか。

 また、この種の人たちほど、芸能人など有名人が客だと面白がって噂にして、場合によっては電話番号をペラペラと言いふらすから迷惑するはずである。だから田淵選手夫妻も言わなかったのだろう。

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