おみくじ当たるものなのか
- 井上靜

- 1月11日
- 読了時間: 2分
更新日:1月12日
神社のおみくじは遊びの感覚で引くものだ。
だから気にしなくていいはずだけど、どういうわけか神社でおみくじを引くと必ず「凶」が出る女の子がいた。小さいころから大人になるまで。
そもそも、おみくじに凶は少ない。それが当たってばかりというのは奇妙である。
その両親は、普段からの心がけが大事だと言った。
それで、くじで凶を引いても、それは警告と受けとめて、注意しましょうと言っていた。それは実に真っ当な対応だろう。
しかし、娘は気にしなければいいと言って、何も心がけなかった。そして、よく親に注意されているワガママや思いやりの欠如を一向に改めなかった。それで、またおみくじを引くと凶が出る。態度を改めないからだと親に叱られても、平気でいた。
それで困ったことになると兄弟姉妹に「尻拭い」させる。
だから自分は平気なんだと言って傍若無人な態度を少しも改めない。それについて親は、世渡りが上手で要領が良いと思うようになってしまった。しかし俗世間で調子よくやっても神様が許さず罰が当たるのではないかという危惧もあった。
ところが罰が当たることはなく、周囲が迷惑をかけられてばかりだった。これではまるで、悪いことをするほど得して、真面目な人が酷いことになる。

おみくじなんて当たらないと言う人が多い。
しかし信心深い人は、神社の神様なんて、しょせんその程度の力しか持ってない、と言う。これはたまたまおみくじに反映されたことだけど、それ以外のことでも、人の運勢にしても、社会的な倫理にしても、それくらい無力なのが日本で祀られている神々ということ。
これについて日本人はなんとなくだが解っているはずだ。だから実は御利益なんてこれっぽちも信じてないし、遊びでおみくじなんてものを引くし、そもそも宗教が占いの変種のクジ引きなんてことしているのが信仰らしくない。



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