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『乱』の武満徹が作曲した音楽

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年6月23日
  • 読了時間: 2分

 『クラシック音楽館』で、札幌交響楽団の演奏・秋山和慶の指揮により武満徹が作曲した映画『乱』の音楽を放送していたそうだ。

 この音楽は、映画のオリジナル-サウンドトラックも札幌交響楽団の演奏で、指揮は岩城宏之だった。最初はロンドン交響楽団に演奏を依頼しようという話だったが、武満徹の薦めで札幌交響楽団となったエピソードも番組で紹介されたとのこと。


 このエピソードは、武満徹がインタビューで語ったことによると、ロンドン交響楽団なら映画音楽をよくやっているので演奏を依頼しようとフランス人の製作者セルジュ-シルベルマン(後に大島渚のウケなかった映画『マックス-モン-アムール』の製作も手掛けている)は言ったが、時代劇なのでオーケストラに和楽器を加えるから、その演奏家を外国に連れていくと手間暇がかかってしまい、それより日本国内で演奏と録音をしたほうが効率的と武満徹は言ったそうだ。

 また、ロンドン交響楽団は映画音楽のやりすぎで技術的低下を来していると武満徹は難色を示したと言う。



 しかし、札幌交響楽団も映画やミュージカルなどポピュラー音楽も積極的に演奏しているから、武満徹の言うことは不可解であった。

 さらに、武満徹が札幌交響楽団を希望したのは、そこに親しい岩城宏之が常任指揮者かなにかの地位にいたからだと言った。ロンドン交響楽団が映画音楽の演奏をよくやるようになったのは『スターウォーズ』が大ヒットしてアカデミー賞やグラミー賞を受けたからだが、作曲したジョン-ウイリアムズがロンドン交響楽団に依頼したのは、当時同楽団には仲良しのアンドレ-プレビンがいたからだと言っていた。


 つまり、頼み易かったということだ。

 自分が作曲家の立場だったらと考えれば、誰でも解かるはずだ。スタジオに演奏家たちを寄せ集めての録音ではなく、もともと一まとまりに組織化されている楽団であれば、一人一人が気位の高いプロであり、それが何十人も徒党を組んでいるようなもので、それに対して自分の作った曲を演奏してくれと頼むとなると「なんだ、こんな曲」とか言われないかと心配になって、気が重くもなるだろう。

 結局は、そういうことだったはず。


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