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『トップガン』の続編と和製エピゴーネン映画 

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2022年6月23日
  • 読了時間: 3分

更新日:2022年7月3日

 『ベストガイ』なんていう映画があった。

 これは『トップガン』の真似をして作られた宣伝映画で、公開当時、防衛医大で知り合った自衛隊のパイロットが、F15は本物を撮影しているから迫力があるけれど内容はつまらないと言っていた。


 この人は高校を中退して就職を探していた当時、暑い日にバスを待っていたら近くの駐屯地のおじさんに声をかけられ、まだバスが来るまで時間があるから熱中症にならないよう日陰に来て待ちなさいと親切に言ってもらい、自衛隊の施設の中で麦茶まで飲ませてもらったのだけど、そのさい就職先を探している最中だと話してしまったため、入隊申込書を出されて書けと少々強引に言われたから「麦茶に釣られて入隊した」と言っていた。


 ただ、最初はそういう勧誘をされた使い捨て用の隊員だったけれど、パイロットの資質があると判り操縦の仕事をするようになったそうだ。大空に憧れて入隊したけれど適性ナシと撥ねられる人が多い一方で、こんな人がいる。これは努力ではなく元々の才能らしい。

 そして『ベストガイ』は、人気俳優の織田裕二ふんする主人公が、操縦士としての実力によって防大卒のエリートに対抗して意欲を燃やしたりするから、そんなのはドラマがステレオタイプでアホらしいと、本物の叩き上げパイロットである彼は言っていた。


 ところで、ずいぶんと後になって『トップガン』の続編が作られた。

 この宣伝キャンペーンで、韓国には出演する男優が三人か四人で訪問して派手な感じだったが、日本に来たのは主演のトムクルーズと製作者だけだった。トムクルーズのファンの女性はイベントに押しかけたが地味な感じで、それだけ日本の配給会社は金が無いのか、それとも最近の日本は洋画の人気が低迷して邦画の観客が圧倒的になっているから、その影響かと指摘されている。


 もっと盛り上げるなら、共演のジェニファーコネリーを呼べば日本の映画ファンは悦んだはずだ。

 今では演技派女優・アカデミー賞スターだが、かつてトップガン一作目の当時はアイドルとして大人気だった。天皇が皇太子のときファンを公言するブルックシールズとともに、ジェニファーコネリーは化粧品の宣伝に出て、眉毛を太く描くのを大流行させた。

 ちょうど、中森明菜や小泉今日子がわが青春のアイドルで今も好きだが妻には内緒という人がいるのと同じで、今も人気がある。

 そういうことを、最近の配給会社の人たちは知らないのかもしれない。


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 日本で出た写真集。

 資生堂パーキージーンの宣伝に出ていたものが中心。

 自宅の書棚にあるのを見た女性に、「後生大事に持っているとは、このことね」と言われたことがある。

 下は中身の一部。


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