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『スタンドバイミー』の映画化と原作

  • 執筆者の写真: 井上靜
    井上靜
  • 2021年11月20日
  • 読了時間: 3分

 先日、高校の同級生が卒業の翌年に交通事故で死んだ思い出を話題にした。

やはり同じ高校の同級生で凄くバカな奴と卒業後にも付き合ったことが原因だった。バカ同級生に誘われて、そいつの運転する自動車に乗ったら無謀運転で事故になった。

 そういう話題だった。


 『スタンドバイミー』というハリウッド映画が80年代後半にヒットした。

 これはスチーブン-キングの小説『秋の目覚め』が原作で、映画の主題歌ではなく引用されている往年のヒット曲から取って付けて同じ題名になっている。作者自身モデルの主人公が小説家になって少年時代を回想するのは原作も映画化も同じだけど、映画では死ななかった同級生が原作では死んでいることが異なっている。自動車に乗って暴走と衝突という悲惨なものだった。

 もともと怖い小説で知られる作者の怖い話を映画化するにあたり、思い出話であることを強調しながら怖い部分を和らげているということだろう。

 この映画を観て小説を読んで、死んだ同級生のことを連想したものだった。


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 のちにスチーブン-キングは、テレビの取材を受けたさい、友達と趣味でやっているバンドを取り上げられると、多分わざと「♪ダーリン、ダーリン、スタンド~バイミ~」と、仲間の伴奏でギター弾きながら唄って見せていた。

 そのさい、スチーブン-キングは、アメリカの同時代の小説家について問われると、いちおうディーン-クーンツの小説はみんな読んでいると言っていた。ディーン-クーンツは映画化でいつも原作と違うのはキングと同じだが、キングは今時「呪い」なんて、という話を現代アメリカ社会とともに丹念に描くから真に「モダンホラー」だけど、クーンツは「モダンホラー」と称していてもネタはSFである。SFは辞めたのに「SF作家ディーン-クーンツ」と言われることがありガッカリと言っていたけれど、昔の色眼鏡ではなく相変わらずだから言われるのではないか。


 ところで、映画『スタンドバイミー』ではなく原作の方で、主人公は大人になってから同じ学校だった人の旧式自動車にステッカーが貼ってあるのをたまたま見て、そこに「今度の選挙ではレーカン・ブッシュを」と書いてあったと言う下りがある。

 まるで、古い自動車に乗っている田舎の庶民だけど共和党を支持しているのか、みたいな感じだった。

 

 それで久しぶりに思いだしたことが、まだある。

 やはり高校の同級生で、選挙のハガキが来たと言ってきた人がいる。それは知り合いに頼まれて書いたものだったが、ちゃんと届いていることに驚いた。その女性は、政党に属さず選挙に立候補し、落選したのだった。選挙に立候補するためと会社を辞めていたから失業した。そういう場合は休職するものだ。選挙に立候補するならば勤務先は休職も復職も拒否できない。なのに、絶対に当選する自信があったらしい。

 ところが、「オルグ」したという人数を遥かに下回る得票数で落選だった。周りの人たちがデタラメだったのが原因であろう。それを見ていたので、頼まれてせっかく書いたハガキも届かないから無駄だろうと思っていた。だから届いたと言う同級生がいたので驚いたのだった。まあ、選挙のハガキは公営だから、それくらいは普通にやったのだろう。これを同級生に言うと「そんな人を応援するなんてバカじゃないの」と言われてしまった。

 

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