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  • 執筆者の写真井上靜

『G-メン75』の「香港ロケシリーズ」

 70年代の後半から80年代の前半にかけて放送されて人気だったテレビの刑事ドラマ『G-メン75』に「香港ロケシリーズ」があって、一つの売りだった。国際的な犯罪を追って日本の刑事たちが香港に飛び、派手な格闘のアクションシーンが見せ場に加わる。

 ここで、国際都市としての香港は経済や観光では華やかだが、貧富の差が大きくて犯罪も多いことが、毎度のように描かれていた。実際に、観光に行く人は泥棒や強盗を一時的に注意するだけで後は楽しいけれど、そうでない色々な思いが地元の人たちはある。

 今、香港では新しい法律によって地元政府ではなく本土の中央政府が治安維持に乗り出し、すると早速に香港独立の旗を持っていた人が逮捕されている。中国からすると独立どころか植民地でいようと主張する旗であるから、政府に公然と反逆して治安を乱す行為と見做されるのだ。

 これについて各報道では、なによりまず、香港は返還から50年の1国2制度のつもりが20年経ったらすでに本土に飲み込まれてしまったせいだと指摘されている。経済力は中国の他の経済特別区に抜かれ、それ以外の経済でも、かつてと違い中国は諸外国に対して干渉を跳ね除けられるようになっている。

 なのに、香港を特別扱いする意味はなく、しかも例外を認めていたら、ウイグルなど他にも揉めごとがあるから、そうした地域に影響しかねない、ということだ。

もともと、中国としては阿片戦争の遺恨があったし、治安が悪くて貧富の差が大きかった香港だから、力関係が変化したおかげで潰せるようになった今、絶対に妥協しないだろう。

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