MSXとグーニーズとおもいっきり探偵団
- 井上靜

- 2021年9月3日
- 読了時間: 2分
リチャード-ドナー監督が死去したという報で、もう90を超える歳だったと改めて知った。
この人はテレビドラマの名監督だったが、そこから地味だったり低予算だったりの劇場映画を何作か撮って、そのなかの『オーメン』の大ヒットをきっかけに大作『スーパーマン』や派手な『リーサルウェポン』を手掛けていたことで知られる。
また『グーニーズ』という映画もあった。
これは「スピルバーグ提供」と謳われていたけれど名義貸しらしい。この映画は監督がリチャード-ドナーに製作がハーベイ-バーンハートで、二人ともカメオ出演しているけれど、これは『オーメン』の監督と製作者だから、大ヒット作とはいえ怖い映画では『グーニーズ』の内容とイメージ的に合わない。それでスピルバーグに依頼して、実際には関与していないけれど、している形にしてもらったということみたいだ。
『グーニーズ』が公開されたら、これに基づいたビデオゲームが作られた。
その内容は、映画の劇中に出てくるキャラクターが迷路の中を探索して回るという、よくある形式で、その間、映画の主題歌のメロディーだけが電子音で流れ続ける。映画ではシンディ-ローパーが唄っている。
このゲームを持っていた。当時の主流といっていいのはMSXパソコンだった。それをワープロが主な目的で買い、ゲームもできるということで、ちょうど売っているのを見た中で面白そうだったから買ったのだった。

ゲームソフト『グーニーズ』は、今の画面に比べると単純だったが、それでも映画の雰囲気はよく出ていたから面白くて最後までクリアした。
それで今思うと、『スーパーマリオ』など、逆にヒットしたゲームを基に映画を作っても面白くならないが、それはゲームのために発揮した創造性ではドラマに膨らませられないということだろう。『スーパーマリオ』の映画は公開当時に半額の日だからと映画館で観た。満員に近かったけれど、半額でない日は客の入りが良くなかったらしい。映画は退屈で、主題歌だけが良かった。
さらに「東映不思議コメディシリーズ」が、最初は『ロボコン』の人気を意識してロボットが居候するホームコメディだったのが、スピルバーグ監督の『ET』の大ヒットを意識して居候が宇宙生物の『ペットントン』になり高視聴率を記録したけれど、そのあと『おもいっきり探偵団-覇悪怒組』となるのは、きっと『グーニーズ』の影響だったのだろう。



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