1980年、松田聖子デビュー、ヤマトよ永遠に公開
- 井上靜

- 2021年8月12日
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前に出版社の事務方をしている人と話していて『宇宙戦艦ヤマト』の新作について訊かれた。
このさい、出演している声優について話がおよび、そのうち神田沙也加について、その人は「へえ~そんな良い役で出ているのか~」と。それで、まあ『アナ』で名を上げたからだろうと言っておいた。
1980年に松田聖子がデビューして一躍スターダムに昇ったが、この年は宇宙戦艦ヤマトの劇場版第三作『ヤマトよ永遠に』が公開されている。
この当時、将来、松田聖子の娘がリメイクされた宇宙戦艦ヤマトに声優として出演すると想像できた人は居なかっただろう。
製作・総指揮・原作/西崎義展(昭和9年生=昭和一桁世代)の御託。
1980年公開の三作目『ヤマトよ永遠に』のプログラムにて。

「かつて日本人は、外国の人から、黄色い猿とかジャップとかいわれ、あなどられてきました。しかし今は、そんなことはほとんどありません。逆に日本人の勤勉さや、緻密さ、複雑さに、民族としての長所を認め、世界全体がもっと幸せになれるように指導性を発揮して欲しいと要望されています。
私は、日本人が、このすぐれたところを、もう一度再認識し、それが国際性へつながるようにと心から思います。『宇宙戦艦ヤマト』は、そういう私の強い念願がフィーリングとなって形成された作品だとも言えるのです」
当時は、こんなことを説くことが出来たのだった。「今は昔」だが。
まさか、日本が今ここまで衰退・堕落すると想像できた人は、少なくとも日本人には居なかったのではないか。
ところで、過日、FM放送のオペラ番組でワーグナーの作品をやっていたが、そこでオペラに詳しい音楽評論家の女性が「ワーグナーは苦手」と言っていた。
どうもワーグナー劇のヒロインは「男性に都合が良い女性」で共感しにくいということだった。権力を志向して戦い荒んだ男性の魂を、女性が自己犠牲によって救済するという図式が、ワーグナー劇では毎度のことである。
それで、松本零士はクラシック音楽ファンで特にワーグナーが好きだと公言しているから、その影響が『宇宙戦艦ヤマト』にもあって、いつもポスターでは宇宙戦艦ヤマトが征く宇宙空間に救済者としての女性の姿が浮かんでいるし、我らのヒロイン森雪が、デスラー総統の攻撃をかわすため決死の覚悟でコスモクリーナーを作動させるのは「古代くんが死んじゃう」からだ。
また、ワーグナーファンの祭典バイロイト音楽祭が中止になってしまったのは、コロナウイルス新型肺炎禍のためだが、戦争ではなく伝染病というのが異例である。
そこでSFアニメしか知らない人は、バイロイト音楽祭と言っても「♪マクロの空を~つらぬいて~」と取り違えるし、ザルツブルク音楽祭というと「♪疾風のように~」と取り違える。
前に、ウイルスを除去するコスモクリーナーがあればいいな、と言った人がいる。波動砲で吹き飛ばせたら良いのに、とも。「波動砲でコロナを撃て」というセリフがあった。しかしあれは吹きあがった炎だからコロナではなくプロミネンスの間違いだと指摘されていたものだ。電子顕微鏡で見ると日輪のようだからコロナウイルスというので、昔のSFアニメなら「♪胸に輝く~日輪は~正義の印~」である。ここまでくると懐かしすぎて若い人には解らないだろう。



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